第33章 誕生日とゴシップ
12月に入り、私の誕生日が近づく。
百の時のように誕生会をやってる時間なんてない。
たぶん、千のはもっと時間ないだろう...
アルバムも作らないといけないし、もちろん他の仕事もある。
最近は、私もバラエティーに出る機会も増えてきたし、他にもドラマもやらないかって話しもきてるらしい。
千はドラマ撮影に雑誌の撮影、百もバラエティーに雑誌の撮影。
それぞれ忙しい日々を過ごしていて、私は1人で撮影に来ていた。
ヘアメイクに行くと、この前を同じヘアメイクの人だった。
「お願いします」
アレンジのためにイヤホンを着けてアルバムの曲を聞く。
正直、この人と話しをしたくないのもあるんだけど...
そう思っていると、髪の毛セットするからイヤホン外してと言われてしまった...
「何、聞いてたんですか?この前は見たことない楽譜見てましたよね?」
「曲のデモです。この前の楽譜は・・・ドラムの楽譜です」
(よく見てんのねぇ・・・たぶん、2人のどっちかのこと好きなんでしょ)
「色んな楽器できるって凄いですね。私、学校で触れる楽器くらいしかやったことないです」
「確かに、家にあるのは珍しいですからね。触れることはあっても実際に弾くのは難しいのかもしれないですね」
今日は別な雑誌撮影だから、店長はいない。
だから、いつもとメイクさんが違うんだろうか...
ただいま、おかりん不在...頼むから早く来ておくれ...
ヘアメイクも終わり、衣装に着替え撮影が始まる。
今日は衣装チェンジが多く、同じくヘアチェンジも多い。
いちいち楽屋を気にしてもいられなかった。
一通り撮影し終わり、写真のチェックをする。
その時にやっとおかりんが到着した。
鍵をおかりんに預けて、やっと安心できた。
撮影も無事終わり、ヘアセットを取ってもらう。
「今日は衣装もヘアチェンジも多かったから大変だったね」
「そうですね・・・」
おかりんが先に楽屋で待っててくれてるから、急いで戻る。
入った時変わったことがなかったか聞くけど、何もなかったと言われた。
(今日は写真なしなのか・・・)
なんとなく違和感を覚えるけど、これってはっきりわからないからその日は帰った。
家に送ってもらう時は、目の前じゃなくて手前は近くで降ろしてもらっている。
自分の家じゃないし、叔父さんたちに迷惑かけられないから...