第33章 誕生日とゴシップ
七桜のことは誰よりもわかってるつもりだと、優しい顔で話すユキ。
「お互いが想い合ってるのに邪魔することはできないしね。でも、七桜を泣かせるような事したら、その時は僕がもらうかもしれないけどね」
そう言って、ユキは笑った。
七桜はきっと気持ちに応えてくれるから、ちゃんと自分の想い伝えてと。
「告白・・・俺、頑張ってみる!ユキ、話してくれてありがとう。ずっとモヤモヤしてたんだ。ユキが七桜のこと好きなの知ってたから・・・だから、自分の気持ちに気付かないふりしてた。だから、ありがとう」
ユキの優しい笑顔が嬉しい。
「来月は誕生日もあるし、クリスマスもある。気持ちを伝えるにはいいイベントだけど・・・早く伝えてもいいかもね」
「うぅ・・・今から緊張してきた・・・」
「大丈夫だよ。上手くいくから」
嬉しくてユキに抱きつくと、背中をポンポンとしてくれた。
ユキは本当にイケメンだ。
本当は自分が大事にしてあげたいはずなのに...
俺でいいのかなって思うけど、ユキにあぁ言ってもらったしちゃんと頑張って伝えないとな!
って思ってたんだけど...
Re:valeのファーストアルバムを作ることになり、七桜はもちろんユキも作曲にアレンジ、俺もだけど作詞にほぼ時間を取られている...
他にも各自で雑誌の撮影、バラエティー、歌番組、ドラマを忙しい日々が続いていた。
そんな中、七桜がCMにも出始めた。
雑誌での評判が良いみたいで、可愛いのからクールで格好いいのまで幅広い。
「七桜さん、次はCM撮影中にその様子を掲載する雑誌の撮影とインタビューがありますから、書類読んでおいてくださいね。少しの間、1人になってしまいますが・・・百くん迎えに行ったらすぐ戻って来ますので」
「うん、大丈夫。行ってらっしゃい」
スタジオでおかりんと別れ、楽屋に入るとテーブルに手紙が置いてあった。
「何だろう・・・」
そう思って中身を見てみると、さっき撮影してた写真が入っていた。
「出来上がったからどうぞってこと?」
少し意味がわからなかったけど、特に変な物でもないから気にしないで鞄にしまった。
さて、仕事しますか。
「おはようございます。今日は宜しくお願いします」
スタジオに挨拶してから、楽屋に戻る。