第32章 再会
千が試着から戻って来て話しを進める。
「今回のブランドはナチュラル系ですから、七桜さんや百くんがモデルをしてるブランドとも今までのRe:valeのイメージとも違っていいと思いますよ。自然体な感じで」
「うん、僕は好きな感じかな。普段から着たいくらい」
「そうですね。千くんはイメージに1番合ってるかと思います」
話しも終わり、店長たちはおかりんに見送られて部屋を出て行った。
3人になった途端、部屋には気まずい空気が流れる...
「いい加減、仲直りしたら?」
「七桜・・・」
「別に喧嘩した覚えはないけど?」
「なら、どうして怒ってるの?」
どうして怒ってるって...百が人の話し聞いてくれないからでしょ...どうやったって平行線だもん。
「七桜と話してから、モモは早く帰ってくるようになったよ。前みたいに酔いすぎて帰ってくることもなくなったから」
「七桜が何に怒ってるか・・・わかってるけど、少しやりたいようにさせてくれないかな?自分でどこまでやれるか試してみたいんだ。ちゃんと気を付けるから。七桜といつもみたいに話せないのは辛いよ・・・」
悲しい顔で話す百が少し可哀想になって、わかったとつい言ってしまった。
その言葉に百は嬉しそうに笑った。
(手遅れになる前に手を引いてほしいんだけどな・・・どうしようかなぁ・・・)
「じゃあ、これで仲直りってことでいいよね?いつまでもギスギスした空気出されても困るからね」
「ユキもごめんね」
「皆さん、お疲れさまでした。今日はこれで終わりなのでゆっくり休んでください」
私は叔父さんに呼ばれてるからと、先に事務所を出た。
なぜか事務所に来てほしいって連絡が入ってたんだよね。
「お疲れさまです」
小鳥遊事務所に着いて挨拶するけど、誰も見当たらないから叔父さんのいる社長室まで行くことに。
「叔父さん、事務所に誰もいないの危ないよ?・・・てか、何で悠斗いんの?」
「七桜ちゃん、お疲れさま。突然呼び出してごめんね?悠斗くん遊びに来たんだって。紡がまだ帰ってないからこっちに来てもらったんだ」
「そうなんだ。手伝うことある?悠斗もいるし一緒にやるよ?」
「大丈夫だよ。仕事帰りなんだから、ゆっくり休んでて。悠斗くんも休んでていいからね」