第31章 初ソロの活動
思い切って、七桜に近づき頭を撫でてあげる。
「七桜が寝るまでこうしてここにいるから。何もしないから、絶対。ちゃんと寝て?」
「う、うん・・・」
少しすると、寝息が聞こえてきた。
チラッと顔を見ると、安心したように眠っていた。
「おやすみ」
寝たら離れようと思ってたけど、離れがたいのもあったし、七桜の体温が暖かくてそのまま眠ってしまった。
その日、夢を見た。
断片的にだけど、七桜と一緒にいる夢...
エッチな夢は見れなかったけど...俺の隣で笑ってる幸せな夢...
朝、目が覚めると隣にいたはずの七桜がいなくて、しかもいい匂いがした。
「百、おはよう」
「七桜、おはよう・・・いい匂いにつられちゃった」
昨日のことで気まずかったらどうしようって思ったけど、いつも通りで安心。
「ご飯出来るから、千のこと起こしてくれる?」
「わかった」
さっそく百は千を起こしにかかってるけど、苦戦してる声が聞こえる。
まぁ、想定内だけどね...千を起こすのは大変なんだよね。
「いい加減、起きなさい!」
千の布団を引っ張って、転がして布団から引きずり出した。
「・・・痛っ、なに・・・?」
「なに?じゃなくて、ご飯出来たから起きて」
「僕、まだ眠い・・・」
「じゃあ、千は食べなくてもいいです。百と2人で食べるから。百も顔洗っておいで」
「うん」
百が洗面所に行くと、千もノロノロと着いて行くから面白い。
その間に、布団を片付けてテーブルを出しておく。
百が戻って来て、片付けと運ぶのを手伝ってくれた。
「いただきまーす!」
3人揃って百の元気な、いただきますでご飯を食べ始める。
「朝から美味しいね!幸せぇー!」
「七桜が昨日たくさん食材持って来てくれたからね。久々にちゃんとした朝ご飯だ」
「ちゃんとしたって、大袈裟・・・」
「大袈裟じゃないよ。モモ用と僕用に分けて作ってくれてるし。朝ご飯は脳を働かせるためにも食べないといけないしね。いつもモモにはお腹いっぱい食べさせてあげれないから助かるよ。ありがとう、七桜」
「千もちゃんと食べないとダメなんだよ?うちは叔父さんの家だから食べる物に困ってないし。しっかり食べて大きくなってね」
そう言ってくれて嬉しかった。