第31章 初ソロの活動
横になったけど、落ち着かなくて全然寝れないな...そう思っていると、天井に何かが見えた。
たぶん、布団から少しズレた場所にクモが垂れ下がってこようとしている。
どうしようか考えるけど、その間にもヤツは下へ向かってきている。
「も、百っ」
思い切って、百の方へ転がって移動した。
「ど、どうしたの?」
七桜が天井を指差してる。
目を凝らして見ると、クモが垂れ下がってきているのが見えた。
「あらら」
クモを退治して、ちゃんと手を洗ってから布団に戻った。
「百、ちょっと寄ってもいい?」
(は?何を言っちゃってるの、この子は!寄るって何!?)
「だって、またクモ出るかもしれないじゃん・・・千の隣は嫌だし・・・」
「う、うん、いいよ。少し狭くなるけど、こっちおいで」
(七桜もクモ嫌いなのかな?)
でも、俺の方に来て安心した顔をしてる。
「大丈夫?怖くなくなった?」
そう聞くと、部屋の扉がガタガタッと音を立てた。
「っ・・・だ、大丈夫・・・」
「もっとこっち寄ってもいいよ」
俺は安心させようと七桜の腕を引き寄せて軽く抱きしめた。
ちょっと、やり過ぎたかな...
「百、ありがとう・・・」
声が聞こえた下を向くと、こっちを見上げてる七桜と目が合った。
思ったより顔が近い...こんな近くで見たの始めてだな...
(可愛い・・・キス、したいな・・・)
そう思ってると、気付くと七桜の顔が目の前にあって慌てて顔を離した。
「ご、ごめん!おやすみっ!」
何やってんだよ俺は...と猛反省。
抱きしめてた腕も離して寝ようとする。
七桜だってビックリしたはず...俺だってまさかしそうになるとは思ってなかったもんね。
(絶対、変に思ったよな・・・どうしよう・・・)
「百、あのさ・・・」
「な、なに?」
声をかけられて、焦って返事をしたから声が裏返ってしまった。
「手、繋いで寝てもいい?」
「へ?」
相変わらず、部屋のあちこちで音が聞こえていた...
「怖いよね、俺のでよければいいよ」
はいと左手を差し出すと、両手で掴まれてドキッとした。
俺らはもう慣れちゃったけど、七桜は初めてだし霊感あるからなおさら怖いんだろうな...
そう思うと、抱きしめてあげたくなる。