第4章 勧誘
「僕たちはちゃんと将来を考えて音楽してる。彼女は凄い腕と歌声を持ってる。それなのにこれからも娯楽に付き合わせるの?あなたはそれでいいわけ?」
「はは、言われちゃったな・・・」
「失礼ですみません!」
「いや、いいんだ。俺も少し思ってはいたことだ」
まだ中学生だから自分や自分の知り合いのバンドに入れてやってるけど、普通に考えると中学生がバンド組んでライブをするのは無理だ。
金銭的問題、時間的な問題もある。義務教育だしバイトもできない。
バンドは組めてもライブはできない。
組めたとしてもレベルの違いもあるだろう。
自分の娘だから、組める環境があったからと話してくれた。
「それで、一緒にやろうってのはお前たちのグループに入れってことか?」
「そうだよ。じゃないと一緒にできないでしょ」
「男の中に女1人入れってことか?」
「まぁ、結果そうなるけど。僕は彼女と一緒に音楽やりたい。あんなに楽しそうにキラキラしてステージに立って演奏してる子は初めて見た。輝いて見えるっていうのが初めてわかったよ。路上で聞いた時も思ったけど、何より音楽が好きって気持ちがこっちまで届いたくらい」
いつもは言葉が足りないくらい話すことをしない千が饒舌に話をしている。
七桜ちゃんのことよっぽど気に入ったんだろうな。
確かに凄い子だ。
一緒にやれたら音楽の幅も広がるし、お互い高め合えるだろうな。
俺も一緒にできればいいって思ってるし。
「俺もできるなら一緒にやりたいと思っています。それくらい七桜ちゃんの演奏も歌も魅力的でしたから。俺たちも負けてられないって話してたんです」
ー七桜saidー
お茶をもらって部屋に戻る。
これからどうすればいいんだろう・・・
一緒に音楽やるって助っ人としてってことなのかな?
まさかRe:valeに入るなんてことにはならないよね・・・
そうなると・・・
知ってるRe:valeがRe:valeじゃなくなっちゃう。
万のことは救いたい。
けど、そうなったら百はどうなる?
だから関わりたくなかったのに・・・
知り合ってしまったら、避けれるものも避けられなくなる。
考えても仕方ないのかもしれないけど、慎重に動かないと。
Re:valeのこの先を変えれるかもしれない。
でも、そんなことしてもいいのかな。