第30章 新居
「仲間であって、家族でもある・・・」
「そう。僕らはRe:valeのメンバーで仲間だ。でも、それだけじゃなくて・・・いつまでも一緒にいれる関係になりたいと思ってる。七桜の家族を見てると、家族の絆はいいなって思えるし、羨ましいとも思うんだ。だから、仲間でもあり家族でもある」
「そんな風に思ってたの?息子になる?お兄ちゃんになるけど」
「ならないよ」
「うちも千がお兄ちゃんは嫌だな。万がいい」
「ちょっと、万はよくてどうして僕は嫌なの?」
「万の方が優しいし、ご飯も美味しい。ちょっと抜けてるとこもあるけど、そこもいい。虫苦手なのはちょっと無理だけど」
「バンさん、虫苦手でしたね。俺の後ろに隠れて助けたことあります」
「ビックリだよね。何でも出来そうなのに、虫苦手って」
「でも、ギャップがあっていいと思います」
「万はそれを狙ってたのか」
「万はそんな人じゃないでしょ?」
3人で万の話をして盛り上がる。
「あ、そうだ!今日引っ越しだから、ケーキ持って来たんだ」
冷蔵庫からホールのケーキを出す。
「わぁ!美味しそう!」
「食べる前に、引っ越し記念の写真撮ろう?」
ケーキを持った百を真ん中にして、3人並んで記念写真を撮る。
今日のケーキはスフレチーズケーキ。
「食べよっか」
切り分けて食べる。
「相変わらず、美味しいね」
「これも七桜さんの手作りですか!?」
「そうだよ。持って来やすいのにしたんだけど、百は嫌いな食べ物ない?好きな食べ物は?」
「嫌いな物は特には。好きなのは、肉とか」
「うちも肉好き。千は嫌いな物多いから気を付けてね。野菜しか食べないから」
「そうなんですか?」
「野菜だけじゃない。肉と魚以外は食べられるよ」
「そうだっけ?」
「そうだよ」
言い合いをしてると、百が笑い出した。
「2人とも仲良すぎってか、子供みたい」
「千のせいで百に子供って言われた・・・」
「実際そうでしょ?僕より年下だし」
「年下でも子供ではない!子供なのは千の方でしょ?だいたい3歳しか違わないじゃん!」
「まぁまぁ、2人とも落ち着いて」
「「百/モモは黙ってて!」」
2人の言い合いは終わりそうにないな。
なんか、微笑ましいな。
その間に、使った食器をキッチンに持って行き片付けをする。