第30章 新居
やっぱり包丁使えないか...まぁ、買い直せばいいだけだからいいけど...先端恐怖症にはなっちゃうか...
千には野菜の保存方法とか、揚げ物の温度の見方を教えた。
「はい、今日は天ぷら蕎麦にしたよ!」
「うわぁー!美味しそう!」
「お腹すいたでしょ?おにぎりもあるから、いっぱい食べてね」
「「頂きます」」
2人はそう言って食べ始めた。
「美味しいです!七桜さんは料理も上手なんですね」
「僕も習って作れるようになるから」
「俺、何も出来なくてすみません・・・でもユキさんの料理楽しみです!」
「そう」
千は嬉しそうに笑ってた。
食べ終わり片付けも終わって、普通に話をしていると千が突然不満そうな顔をした。
「モモくん、もっとフランクに接してよ」
それが不満の原因か?
「フランクと言いますと・・・」
「気を遣わなくていいよ。七桜みたいに叩いてもいい」
「それは絶対できません!」
「すればいいのに」
「できるわけないですよ!」
「敬語も辞めて、さん付けもしなくていい。岡崎さんも敬称つけて呼ばない方が親しげな印象があっていいって」
「そうそう!千なんか、さんなんてつけなくてもいいよ。うちもね」
「なんかって言い方・・・」
「え?千なんか千でいいでしょ?」
「まぁ、いいけど。どう?僕もモモって呼ぶようにする。七桜は始めからそう呼んでたしね」
「そうだね」
「じゃあ、千斗・・・」
「「あ、そっち?」」
「えっ?ダメでした?何か間違えました?」
「あはは!百、千は千って呼んでほしかったんだよ」
百って時々こういうことあるよね。
「そうだったんですね・・・」
千は笑いをこらえて酷い顔になってるし。
「わかりました。これからはユキって呼ばせてもらいます。七桜さん・・・じゃなくて、七桜?」
「そうそう!千と七桜と百。ね、千」
「よろしくモモ」
「はい!じゃなくて・・・宜しくお願いします!」
「それも敬語だけどね」
「今まで敬語だったから、慣れるまでは変な感じするかもしれないけど、普通に話してくれていいからね。瑠璃さんとか家族と話すみたいにさ」
「そうね。これからRe:valeを一緒にやっていくんだ。仲間であって、家族でもある。そんな関係を築きたい」