第29章 Re:vale 再始動
ユキさんはビジネス的な事に関心がない。
今まではバンさんと七桜さんがいたからやってこれた。
これからは、七桜さんに任せっきりはダメだ。
事務所を出て歩いていると、おかりんが名前を呼びながら走ってきた。
「僕は本気です!Re:valeをトップに立たせてみせます!宜しくお願いします!」
千が私と百の手をギュッと掴む...
「「「宜しくお願いします!」」」
合図なんてしてないけど、3人が同じタイミングでそう言った。
Re:valeの岡崎事務所所属が決まり、百は音楽活動に集中するため残り約2年の大学を辞めた。
家族と話し合って決めたから反対はされてないし、むしろしっかりやれと言ってもらったらしい。
いい形でRe:valeに入れたと思うけど、大学はやっぱり辞めちゃうんだね...
百が言うには、中途半端にしたくないんだって言ってた。
あと少しなら両立すればよかったのにと思うけど、百が決めたことだから何も言えない。
そして少し経った頃、千が百と一緒に暮らすことにしたと言ってきた。
(ヤバい!あの事故物件だ・・・)
あれだけは、なんとしてでも阻止したい!
事故物件なんて危険な所に行けるわけがない...
これから2人で探しに行くと言うから、阻止するため一緒に着いて行くことにした。
「ねぇ、最低条件だけ聞いてもいい?」
そう聞くと、千はトイレとお風呂別の室内洗濯機に2人だからある程度の広さもほしい。
百は特にないと...
不動産屋に行く前に、部屋選びの簡単な基準を教えておく。
騙されないでちゃんとした部屋借りてほしい...
お願いだから、事故物件だけは本当に止めてください...
物件を探してもらい、2人がいいなと思った何件かを相談して決めることになった。
見たところ事故物件そうな怪しい物件はなかったし、少し不安はあるけど2人に任せても大丈夫かな?
私は私で...また叔父さんの家にお世話になるため荷物の整理をする。
家の方が楽器揃ってるからいいんだけど、事務所も決まったし近い方がいい。
その内、おかりんに楽器置いてもいいか聞いてみよう。
引っ越しは家族総出で手伝ってくれたけど、総出するほど荷物はないのよ...
元々、実家に戻るときそこまで持って帰ってないし。
学校で使う物もあったからね...
てか、さっそく悠斗は紡と遊んでるし。