第29章 Re:vale 再始動
「今日からまたお世話になります。まだ仕事ないけど、バイトするし生活費くらいはちゃんと入れるから」
「お金のことは気にしなくていいんだよ?七桜ちゃんは家族なんだから」
「でも・・・」
叔父さんはデビューする日のためにバイト代は自分のために使いなさいと言ってくれた。
「七桜ちゃんはオシャレだし、お化粧も上手だからね。そういう事に使って自分を磨くのも大事な事だよ。気持ちだけ受け取っておくね。時間があるとき、紡と遊んであげて。あと、叔父さんは七桜ちゃんのご飯が食べたいな」
そう言って、叔父さんに言いくるめられてしまった...
でも、せっかくそう言ってもらったから、千と百にご飯作ってあげよう。
千はバイトできなくてヒモだって落ち込むし、ひもじい思いもするはずだから。
その日はみんなで小鳥遊家に泊まり、久しぶりに賑やかに過ごした。
帰るとき、悠斗は泣きながら帰ってったけど...
(あの子・・・シスコンなのか?ちょっと心配なんだけど・・・大丈夫かな?)
部屋を片付けてたら、百から連絡が来た。
いい部屋が見つかったから内見して契約しましたと。
私が教えたことを守って選んだから大丈夫だと...
(百が言うなら、そうなんだろうけど・・・心配だな・・・)
一応、確認のため間取りとか詳しく載ってる紙を撮って送ってもらった。
送られてきた間取りは、2人で暮らすにしては少し広めで、家賃はまぁ払えなくはない金額。築年数古いけどリフォーム済か。
(これ、家賃値切ったのかなぁ?もう少し安くならないかな)
気になったから、百にこれから見に行きたいと伝え一緒に行くことになった。
外観は綺麗な感じだけど、まぁ多少の年季は感じる建物。
中も全部新しくて綺麗だけど...
(ん?あれ、なんだろう・・・)
「百、ここって事故物件じゃないんだよね?」
「そう言ってましたよ。ユキさんも気に入ってましたし」
おかしいな...私にはあそこに黒いシミが見えるのだが、百には見えているだろうか...聞くと、百にもちゃんと見えていた。
でも、内見したときななかったとその時に撮った写真を見せてくれた。
「よし、不動産屋行こう」
あの物件は事故物件じゃないかと問いただすと、案外すぐに白状し謝ってきて、詳しく話しをしてくれた。
そして、自殺をした部屋だとわかった。