第28章 活動状況
実家から学校に通うのは思ったより大変だった。
行きは送ってもらえるけど、帰りは当たり前だけど自分で帰らないと行けない...
満員電車に乗ることはないから、まだマシなんだろうけど。
揺れてとっさに掴んだりすると動けないくらい痛くなるときも。
しばらくすると、リハビリで調子も良く上手くいっていて楽器も少しだけど弾けるようになってきた。
2人のレッスンも順調で、みんな音域が最初と比べものにならないくらい広がった。
学校とレッスンとリハビリと合間に衣装作りにと忙しくしながら、準備は順調に進んでいた。
楽器はドラムが時間かかるのはわかってたけど、ピアノも結構かかった...
ギターとベースは弾くだけだから問題ないけど、他2つは腕の可動域を叩きつける動作に苦戦をしている。
「千、ドラムとピアノはもう少しかかりそう・・・衣装はあと着てみて調整なければそれでいいし。とりあえず、ギターとベースだけでライブやるのじゃダメ?」
「それだと治ったとは言えない。それに、七桜の演奏が凄いってとこ見せつけられない。ドラムとピアノ、この2つは必須だ。それより、ダンスレッスンは?」
「うん、ちゃんとやってるよ?」
千と話してると、百がやって来た。
「あぁ!七桜さんここにいた!サボっちゃダメですよ!」
「やっぱり、サボってたの?」
「違うよ!ちょっと千に話し合ったから・・・」
後でちゃんと聞くから早く戻れと怒られた...
「百のバカ・・・別にサボってるんじゃないのに。休憩がてら千と話してただけじゃん・・・」
「それをサボりと言うんです!」
「百、冷たい・・・」
「ごめんなさいっ!楽しくて、つい・・・」
百はシュンと落ち込んでしまった...
「楽しいなら良かった。最近、前より楽しそうだね」
「はい!凄く楽しいです!」
楽しいなら、それでいい。
たぶん、家族と仲直りできたんだよね。
瑠璃さんとは仲良し姉弟だから、喧嘩したままだと辛いし。
「七桜さんと話して、ユキさんのこと説得して本当に良かったです。俺、サッカーで怪我して挫折して・・・この先どうしようって目の前が真っ暗だったとき、Re:valeのライブに姉ちゃんが誘ってくれて初めて行ったんです」
そうだね...私はそれを知ってるよ。
辛かった気持ちも、全部...とは言えないけど。