第28章 活動状況
全部、記憶の中にあるよ...
「大変だったんだね・・・」
「もうやろうと思えば普通にサッカーできるんですけどね。俺、子供の頃からサッカー選手になるのが夢で。怪我でその夢が消えちゃったんです。選手になれるかもしれなかったのに・・・だから、ユキさんを放っておけなかったのかもしれません・・・」
「千は歌えるから?」
「極論はそうなりますけど・・・偉そうに言えませんけどね。バンさんがいなくなって辛い悲しい気持ちは、ユキさんと七桜さんにとって、どんな存在だったのかなので・・・俺もわかりますとは言えませんし。それぞれ、感じることも違うと思うし。ファンの俺でも悲しいですから・・・」
「そうだね。辛い感情もそれぞれ、だもんね・・・」
「それでも、ユキさんには七桜さんがいたし、歌もあるじゃないですか。それなのに、やらないのはもったいないというか・・・続けてほしかったんですよね」
「百・・・」
「偉そうですいません。でも、俺と同じようにRe:valeに元気貰った人はたくさんいます!姉ちゃんも、友達もライブに来てた人たちも」
「そうだったら嬉しいな」
百はRe:valeは楽しそうにステージに立って、キラキラしてて眩しかったと話してくれた。
眩しいとか言われると、ちょっと恥ずかしいけど...
そう言ってもらえて嬉しかった。
「色々偉そうに話しちゃってすいません・・・」
「全然、偉そうじゃないよ。百の話聞けて良かったよ。ありがとね・・・千のことちゃんと考えてくれて。百がいてくれて良かったよ」
「そんなことないですよ」
「だって、千は音楽ないと・・・音楽じゃないと生きていけないもん・・・」
「そういう思いもあって、今ちゃんと活動できてるのが嬉しいし、楽しいんです!」
「そっか。百が楽しそうにしてて良かったよ」
「七桜さんのお陰ですよ?」
百がそこまで考えて説得しようと思ったのは知らなかった。
夢に破れた人にしか、叶えられなくなってしまったからこそって感じかな。
怪我はやっぱり辛い...私は治るけどそう思うもん。
選手目指してたなら、なおさら辛かっただろうな...
選手になりたかったに決まってるじゃん...
(運命は時にイタズラだよね・・・)
そのお陰で百はRe:valeになったんだけどさ。
少し複雑だよね...