第28章 活動状況
部屋に戻って、スケッチブックを持って来る。
私から奪い取ると、お母さんにどれと聞いて勝手に見てる。
「いいじゃん。僕らとも合ってるし似合うと思うよ」
「似合うと思います!それに、可愛いです・・・」
「あら、百瀬くん顔真っ赤」
お母さんにそう言われ、ますます赤くなる百。
(もしかして、モモくんは七桜が好きなのかな・・・?
まぁ、そうだったとしても負けないけどね)
「僕らのは七桜がデザインしたって聞いたけど、自分のも描いたの?」
「デザインなんて呼べるほどの物じゃないよ。うちのはお母さんが描いてくれたけど・・・」
「千斗くんと百瀬くんのはほとんどイジってないよ。七桜は自分のはイメージ出来ないって言うから、2人の衣装に合わせてみただけ」
百はデザインも出来て凄いって、この衣装着てステージ立ちたいって言ってくれた。
「僕もそう思うよ。学園祭の衣装もそうだったけど、七桜はその辺のセンスもいいからね」
「学園祭、ですか・・・?」
百は知らなくて当たり前なのか。
「昔ね、万が知り合いに頼まれて千と一緒に学園祭でステージに立ったことあるの。それから今の路線に変更したんだよね」
「そうだったね。その時着た衣装も七桜が作ってくれたんだ。今度写真見せてあげるよ」
「楽しみです!七桜さんは色々出来て凄いですね」
「出来るわけじゃないよ。自分でやってみたいなって思ったことはとりあえず手付けたくなっちゃうだけ・・・」
「とかいって、出来ちゃうんだから。遺伝もあるのかな」
(遺伝ねぇ・・・それはあるか。親だしね)
「後は、生地と装飾だけでいい?色はどうする?3人同じにする?」
「同じがいいんじゃない?お揃いで」
「出来上がるのが楽しみですね!」
「じゃあ、さっそくサイズ測りますか!少し余裕あった方がいいよね?」
「そうね。動きやすい方がいいかな」
「じゃあ、測るから2人とも上着脱いでね」
お母さんが2人のサイズを細かく測ってくれた。
学園祭の時は私が測ったけど、今回はちゃんとした衣装。
お母さんが測った数字を間違えないようにメモに残しておく。
作る作業、この腕でできるんかなぁ...
できなかったら、お母さんが作ってくれるんだろうけど...
なるべく自分で作ってあげたいな。