第28章 活動状況
日曜日、千が言った通り迎えに来た。
(千が、手土産げ持って来てるだとっ!?成長しとる・・・)
「そんなに驚かないでくれる?」
「何も言ってないけど・・・」
「顔に書いてあるよ。次、何かあったときはお願いって自分で言ったんでしょ?」
「そうだったね・・・」
それにしても、どうしよう...お土産が2つになってしまった...
「別に2つでもいいでしょ?それぞれの気持ちってことで」
「そだね。それより、百の家どうやって知ったの?」
「それは、聞かないで・・・」
「何で?闇の組織使ったとか?」
「そんなわけないでしょ・・・普通に後付けただけ・・・」
「なぁんだ。でも、百には言えないね」
千が後付けるのを想像したらおかしくて笑ってしまう。
そうこうしてるうちに、百の家に着いたらしく千が少し緊張ぎみ...
「行くよ?」
そう言って、チャイムを押すと瑠璃さんが出て来て、私らを見てビックリしていた。
「突然来てすみません」
「どうぞ、入ってください」
急な訪問に戸惑っていたけど、中に入れてくれた。
居間にはお父さんとお母さんも揃っていて、百はいないようだった。
お父さん達は私らが来たと知ると、ビックリしてる様子だったし、良く思われていないのも感じ取ることができた。
「初めまして。折笠 千斗と言います。Re:valeという名前で音楽をしてます」
「私は、春沢 七桜と言います。同じくRe:valeで音楽してます」
「2人のことは瑠璃と百からよく聞いていたので知っています。それで、今日はどういったご用件ですか?」
とりあえず、持って来た手土産を渡した。
「今日は、百瀬くんと一緒に音楽をすることを許してほしくて来ました」
「どうして百なんですか!?バンさんの代わりに百って・・・どうしてですか?」
瑠璃さんはやっぱり代りって思ってるし、良く思ってない...
「万がいなくなって、僕は歌を辞めようと思いました。七桜がいたのに、自分のことしか考えず自分だけ傷付いたと思っていたんです・・・それを、モモくんが毎日飽きもせずに歌を辞めないでくださいと説得してくれたんです」
「私も千には音楽辞めてほしくなかったんです。百瀬くんが千を説得すると言ってくれて、凄く助かりました。正直、私は説得する自信がなかったので・・・」