第28章 活動状況
傷痕の手術をして数日、自分で鏡を見ても目立たないくらいにはなってきた。
腕もリハビリも少しずつだけど良い方向へ進んでいる。
そこで、衣装をどうするかという問題にぶち当たった...
万と千の衣装は作ったことあるけど、あれは学園祭用であって...これからちゃんと音楽活動していくには素人感がありすぎる。
万が残していった名刺は見たけど、作ってくれそうな会社はあるけどデザイン会社の名刺がなかったんだよね...
なんとなく思いついたのをスケッチしながら悩んでいると、お母さんが来た。
「どうしたの?・・・ライブの衣装?百瀬くんも増えたし、新しいの必要ね」
「うん。前に作ったのは・・・今見るとちょっと出来映え良くないし、新しいデザインがいいかなって思ってさ」
「そうねぇ。これは、七桜が描いたの?」
「うん、なんとなく遊びで描いてみただけだよ」
「いいんじゃない?ちょっと手直しすれば凄く良くなると思うけど。自分のはないの?イメージできない?」
「うん・・・だって、自分もメインとか想像つかないっていうか・・・」
そう言うと、お母さんが一緒に考えようと言ってくれた。
そして忘れていた事実...お母さんは昔アパレル関係の仕事をしていたこと。
(うちの家族って、都合良すぎないか?チート機能かなんか付いてんのかな・・・)
でも、お母さんが手伝ってくれるのはありがたい。
それから、手直しが加わり、私の衣装のデザインも完成が見えてきた。
何日か経った頃、千から百の家がわかったと連絡が来た。
どうやって知ったかは、聞いても教えてくれなかったけど...
日曜日ならみんな家にいるだろうと、さっそく日曜日に行くことにした。
本当は百はいない方がいいけど...まぁ、その時はその時で。
(てか、日曜日って明日じゃんっ!)
急いで出掛ける準備をしていると、どこに行くかも知らないのに悠斗も一緒に行くと言い出した。
「まぁ、お土産買いに一織くんのお店行くだけだよ」
「行く!!」
そりゃそうだよね...
店に着くと、今日は一織もいて店番をしていた。
小さい一織...可愛いぃ~!
お土産を選びながら2人を見てると、本当に仲良いんだなと感じた。
三月も出て来て、3人で話をして楽しそうにしてる。
お土産は前に買ったパウンドケーキの新商品が出てたから、それを選んだ。