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未来へ繋ぐメッセージ【アイナナ/Re:vale】

第26章 説得



こうして、やっと百の【千説得作戦】が決行された。

やっと家に行けるようになって、もう何度も通ってる。
今の所、話しを聞いてもらえなければ会ってもくれないらしい。
百も大変な中、発声練習も始まった。

あの後、お父さんに事情を話して頼んだら意外とすんなりOKしてくれたんだよね。
講師してくれるのは、お父さんの友人で現役活躍中の音楽学校でボイトレやギターを教えている悟くん。
叔父さんの家に住むようになってから、楽器は悟くんに教わってたからボイトレも教われるのは嬉しい。

百と一緒に初めての発声練習。
始めは緊張で声が出てなかったけど、それが普通だし回数を重ねていくうちに出てくるようになってきた。
百も楽しそうに練習に取り組んでるみたいだし。
なんでか、お父さんが嬉しそうにしてるのは謎だけど...

回数を重ねると、前よりも声が出しやすそうになってた。

「百、だいぶ慣れてきたみたいだね」

「はい!みなさんのおかげです!七桜さんと一緒に練習出来て光栄です!」

「うちも歌のレッスンは初めてだから、やってよかった!役に立つといいな」

「大丈夫ですよ!俺が説得してみせますから!」

その日のレッスンは無事終わった。
次の日も、千の説得に百は向かう。

私は陸が入院したと聞いて、久しぶりに会いに行くことにした。

「陸、大丈夫?」

「お姉ちゃん!腕、どうしたの!?」

「はは・・・ちょっと怪我しちゃって、骨折しちゃった」

「骨折って?もう痛くないの?」

「まだ痛みはあるけど、大丈夫。ちゃんと前より良くなってるから。あんまり会えなくてごめんね?これ、お土産。作ったやつじゃないけど・・・」

「うぅん、ありがとう!お姉ちゃんのお菓子は美味しくて大好きだけど、怪我してるんだから無理しないで」

「治ったらまた作ってあげるからね。今日は天来ないの?」

「天にぃは、もう来ないと思う・・・」

「喧嘩でもした?珍しい・・・」

「実はね・・・」

陸は子供ながらに今、家で起っている状況を話した。
もちろん、天と九条のことも。
もう、そんな時期なんだ...

「そうだったんだ。陸も大変だったね・・・でも、大丈夫だよ。離れても双子の兄弟でしょ?会えなくなっても、ずっとってわけじゃない。いつか必ず会える日が来るよ。それに、離れてても想い合ってれば絆は消えない」


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