第26章 説得
「大丈夫だよ。誰かが万の代りだって言ったとしても、うちも千もそうは思ってない。周りの声は気にしない。万はRe:vale辞めてったんだから、百が新メンバーでいいじゃん?誰にも文句は言わせないよ」
「俺なんかがそう思ってもいいんでしょうか?バンさんのファンは良く思わないですよ・・・」
その時はちゃんと説明すればいい。
そんなふうに思うファンならいらない。
やりたいことあるのに、自分の都合でRe:vale続けてって言う方が酷いし。
「そうですね・・・バンさんにはやりたいことがあるんですもんね。俺もバンさんを意識してこだわるの止めます。ユキさんが音楽続けてくれることだけ考えて説得します」
少しスッキリした顔で言ってくれた。
「百には大変な事頼んじゃってごめんね。あとね、これは提案なんだけど、いい?」
「なんでしょうか・・・」
「百って、歌、やったことある?」
そう聞くと、絶望した顔をして焦りだし、やったことないのに一緒にやるとか全然説得力ないと落ち込みだした。
「学校の合唱とカラオケしかないです・・・一緒にやるってことは歌うってことですよね・・・そこ抜けてました・・・」
「責めてるんじゃないの。だから、提案!説得とか大学とか百も大変だと思うけど、歌の練習も同時進行でやらない?ダンスは教えられないけど、発声練習ならできるし。うちには強い味方がいるから、全然大丈夫!」
「歌の練習してくれるんですか?」
「うちもRe:vale続けるにはどうすればいいか、色々考えたんだ。説得できて続けるって決まった時、上手くいかなくて2人でやる事になったとき。2人はあり得ないと思うけど、うちも歌えた方がいいかなって思って」
「七桜さんは今でも凄く上手だと思います」
「ありがとう。でも、男と女じゃキーが合わないでしょ?」
「確かに。七桜さんは女の人の中でも高い方ですもんね」
万がいなくなってから考えていたこと...最悪、千と人でやる事になったとき、低い声も出た方がいいと思ったんだ。
百が入って3人でやっても、無駄にはならないと思うし。
「歌の練習出来るならお願いしたいです!やったことないので、どれくらいで出来るようになるかはわからないですけど。やれることはやってみたいです!」
「良かった。一緒に頑張ろうね!」
千には隠れて特訓だ!