第26章 説得
「七桜さんが自分達にとって俺を大事だと言ってくれたように、俺にとってもRe:valeは特別で大事です。もちろん、バンさんも大好きです!しつこいと言われようが説得します!」
「百はそれで本当にいいの?後で後悔しない?サッカーはいいの?ただRe:valeに音楽続けてほしいってだけでなら、それは止めた方がいいよ・・・Re:valeはデビューするためにこれからも活動していく。百にその覚悟はある?」
百がRe:valeになるのは決まってることなんだけど、サッカーの道もまだ残されてるんだよね?
「サッカーはもういいんです・・・俺は、Re:valeに救われました。だから続けてってほしい、なくなってほしくないんです。ユキさんが1人じゃ歌えないっていうなら、他の誰かじゃなく俺がやりたいんです!」
「そっか・・・ごめんね、試すようなこと言って。別な道があるなら百には後悔してほしくなかったから・・・」
千は万の家にいて、万を探し回ってることを教えた。
朝早いのが苦手なこと、万がいなくなって3ヶ月後くらいにアパートも引き払われること。
「なら、急がなきゃですね!」
「百、千を説得するときに絶対言わないでほしいことあるんだけど・・・約束できる?」
「どんなこと、ですか?」
「万の代りでいいから、Re:valeとして活動してた5年間だけでいいから・・・自分と万を比べる言い方はしないで」
「えっ・・・」
「言うつもりだった?」
「そう思ってました。バンさんのようにはできないし、代りと言うのもおこがましいですが・・・バンさんが見つかるまででもって・・・」
「万が見つかったら辞めるの?それなら百には頼まない。万は見つかってもRe:valeには戻って来ることはないんだから」
「ごめんなさい・・・」
「さっきの言葉は、後々百を苦しめることになるよ?自分と比べて万ならできるのにとか思って落ち込むでしょ?百は万じゃないんだから、それで当たり前。逆に万は百の代りにはなれないんだから」
「七桜さん・・・」
「百は代わりになる必要ないんだよ。それぞれいいところも違う。千がやるって決めた時は、百と一緒にやりたいって決めたから。うちは代りだなんて思ってないし、一緒にやりたいなって思ってるよ」
「ありがとうございます・・・」
百は静かに涙を流した...