第26章 説得
このお店、百は入るのに勇気がいったんではなかろうか...
「どれも美味しそうですね」
楽しそうに何にしようか悩んでるから、そうでもないのかな?
「迷っちゃうなぁ・・・」
こっちのケーキも美味しそうだけど、このパフェも美味しそう...
私が注文したのは、苺と苺のソースがたっぷりかかったパンケーキと紅茶のセット、百はチーズとハチミツのかかったパンケーキをメロンソーダのセットを頼んだ。
運ばれてきたパンケーキを写真に収める。
「改めて、退院おめでとうございます!」
「ありがとう」
「温かいうちに食べましょ!」
目の前にあるパンケーキを見てヨダレが出そう...
食べると、フワフワしててソースと凄く合っててめちゃくちゃ美味しい!
「う~ん、美味しい~!」
そう言うと、百は良かったと優しい顔を見せた。
「俺のも少し食べますか?」
「いいの?」
実は気になってたんだよねぇ~
「じゃあ、うちのもあげるから交換しよ」
交換して、百の頼んだパンケーキを食べて美味しすぎて幸せな気持ちになる。
百は恥ずかしくなったのか、顔を少し赤くして食べていた。
それを見たら、なんかこっちも恥ずかしくなって少し赤くなってしまった。
「お、美味しいですね!」
「こっちも美味しいね!こんなお店あるなんて知らなかった」
瑠璃さんが言うには、取材とか広告とか一切していないらしく、口コミだけで人気になったお店なんだとか。
今度お母さんと悠斗にも教えてあげよっと。
「喜んでもらえて、良かったです!」
食べ終わってからは、千の説得作戦を立てる。
入院中、千が言っていた内容を伝えた。
「1人で歌っても意味がない・・・七桜さんと2人でやるのも考えたけど、キーが合わない・・・やったことないからなんとも・・・バンさんを探したいか・・・」
百は1人ブツブツを考えてる。
「説得するって言ってから、ずっと考えてたんですけど・・・俺はユキさんと七桜さんには一緒に音楽続けてほしいです。バンさんのようにはなれないと思うけど、ユキさんが1人で歌いたくなくて音楽続けられないなら、俺が一緒にやります!そう言って説得してもいいでしょうか?」
百が自分からRe:valeに入ると言ってくれた...
説得してるときに言うんだと思ってたけど...
百の決心が伝わってくる。