第11章 貴女に着物を贈る意味ー石切丸ー(裏)
ーー
乱「わぁ…素敵!ありがとう、主さんっ!」
前田「これは…手作りですか!?」
秋祭りの朝。
計画通りみんなへ渡すと、予想以上に喜んでくれた。
…長谷部なんて、涙流していたもんね。
さて…残るは三条のみんなか。
浴衣を抱えて三条達の部屋を目指す途中。
空き部屋から鶴丸の気配がした。
大方、私を脅かすつもりだろう。
『鶴丸ー。バレてるよー。』
鶴丸「これだから、君は…
一度くらい、驚いてくれても良いじゃないか。」
『おっ!早速着替えてくれたのね。』
鶴丸「おうよ!どうだ?似合っているだろ??」
『うん。
やっぱり、鶴丸には白が似合うね。
丈も大丈夫そう。』
鶴丸「あぁ、着心地も良いぜ。
主、俺と一緒に祭へ行かないか?」
『んー、仕事があるのよね。
だから、伊達のみんなと行っておいで。』
鶴丸「…。」
『鶴丸?』
鶴丸「俺じゃ、駄目か?」
鶴丸?
ふざけた雰囲気の消えた鶴丸が近づいてきて、壁まで追い込まれる。
鶴丸「君が誰かを想っているのはわかっている。
…だが、俺だって君を……。」
燭台切「おーい、鶴さーん!
着物、脱ぎっぱなしだよ。」
鶴丸「おっと、すまない!
今、片付ける。」
燭台切の声が聞こえると、鶴丸は私から離れた。
鶴丸「ま、気が変わったら声をかけてくれ。
祭までエスコートするぜ?」
『鶴丸っ!』
ヒラヒラと手を振って、行ってしまった。
鶴丸…
また、揶揄ったの?
・