第16章 月食
村雲「主!終わったよ!!」
えっ?
さっきまでのは幻?
小型犬のようなかわいさを振り撒きながら、まっすぐに私へと向かってきた。
「ありがとう、村雲。」
村雲「うん!」
ギュッと正面から抱きつかれた。
その身体に腕を回して驚いた…
だって、明らかに私のそれとは違っている
いつも猫背で前に出ない、腹痛キャラ(!?)なのにがっしりとした骨格につく鍛えられた筋肉。
抱きしめる腕も力強いし。
ブワッと体温が上がる。
もう、みとめるしかないじゃない。
彼は男で、こんなにも惚れてしまっていると。
村雲「/////。」
「村雲?」
村雲「ほんと、勘弁してよ…。」
「え?なに??」
声が小さくて、はっきりと聞こえなかったんだけど。
村雲「あ〜、もう!本丸に帰るよ!!」
「はっ、うわぁ!!」
わぁ、なんて色気のない声。
だって、仕方ないじゃない!
村雲が抱き上げてくれたんだもの。
村雲「なに?不満?」
「滅相もございません。」
村雲「…本丸に帰ったら、覚悟しといてよ。」
ヒュッ。
長義…私の死が来たよ…。
ー村雲・終ー