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月の虜

第10章 素直になるとー和泉守兼定ー


情事の後だから気怠いけれど、切り替えなければ。

…最近、兼定は余裕がないように感じる。
さっきみたいにフラッと訪ねて来たり、感情をぶつけるように抱いたり。
何かあったのだろうか?
それとも、私が何かしてしまった?

今夜は私から兼定を訪ねよう。
いつも受け身だったし、何かあるなら話さないと。

そう思い、寝る支度をしていたら兼定がノックもしないで私の部屋に入ってきた。

『Σ兼定!?ちょっ、今着替え途中っ…!!』

下着姿だってから、慌てて兼定に背を向けた。
が。
背中から兼定に抱きしめられた。

「…。」

『なっ、なに?』

「…俺を捨てるか?」

『…えっ?』

兼定を捨てる?
何を言ってるの…

「加州に言い寄られてたじゃねーか。」

聞いていたのか…

「加州だけじゃねー。
ここにゃ、俺なんかよりずっと良い男だらけだ。
選びたい放題だろ?」

何を言ってるのか、わからない。
つまりは、

『兼定が私を捨てたいんじゃないの?』

「…そう感じるか?」

『…それ以外、何があるの?』

「俺も、にそう言われるたびに同じ事を感じてるぜ?」

あ…
兼定は私が言うたびに、そう感じていたんだ…
そのせいで、兼定は不安定だったのか。
あんな嫌な想いを、私は兼定にさせていたなんて。

抱き締める兼定の腕に触れる。

『ごめんなさい、二度と言わない。』

「本当だな?」

『本当に。約束する。』

「へー?」

ん?
何やら不穏な気配がする。

!!

顎を掴まれると強引に兼定の方を向かされ、荒々しく口づけされて。
もう片方の手が胸を刺激する…

『ふっ…んんっ…んっ!!』

胸の頂をつままれたり、手のひらで乳房を揉まれ…
口内は知り尽くした弱い所を刺激される。
遠慮なく与えられる快感に力が抜けそうなのに、足の間に差し込まれた兼定の膝が支えとなりなんとか立っている状態。
その足だって、グリグリと秘部を刺激していて…
苦しいのにどんどん追い詰められて行く…

『かね…さだぁ…っ。』

「…エロい顔。」

誰のせいだ…。
それに、兼定だっていつもより頬が赤い。



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