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月の虜

第9章 ただ、君をー鶴丸国永ー (裏)


『自分が書いた文を、忘れたの?』

と、伏せた文を俺に渡した。
俺が主に文を書いたのは…一度だけ。

「修行先から…俺が送った…文?」

『そう。』

それは分かったが…
俺からの文を見て…あの表情を…?
つまり…それって……

「…君は俺の事が…好き、なのか?」

俺の問いに頬を染め、頷いた。
そうか…そう、だったのか!!

「主っ!そうだったのか!!」

『Σ!!!』

主を思い切り、抱き締めた。

「主…いや、っ!!」

『ちょっ、鶴丸っ!?』

「俺もが好きだ!」

『!!』

少しだけ腕の力を緩め、顔を見つめる。

「を、愛している。」

『私も…だよ、国永。』

と、も俺を抱き締めてくれた。
おまけに、“国永”って呼んでくれた。
こんな嬉しい驚きが、今まであったか?

あぁ…本当に、愛しいな。

やっと冷静になってきて、じわじわと幸せが全身に広がっていく。
そっとの頬に触れると、も幸せそうに俺の手に頬擦りをする。

「女としてのは、俺のものって事でいいんだな?」

『…うん。』

やっと…俺だけのを手にする事が出来た。

両手での頬を包み込み、啄むように軽く何度か口づけて。
額同士をつけて、微笑む合う。
…ほんと、かわいいなぁ。

『んっ…。』

今度は深く、長く口づけて互いの想いを交えていく。
舌を絡めると、ピクリと反応して身体の力が抜けて俺に身を委ねてくる。

『んっ…んんっ!』

「おっと。」

崩れ落ちそうになったを抱きとめる。

「そんなに良かったか?」

悪戯に聞いたのに…

『うん…。』

と、頬を桜色に染めながら頷いた。

あー…こりゃ、駄目だ。
確か、執務室の奥がの私室だったよな。

「よっと。」

『Σ国永!?』

を抱きかかえ、の私室へと進む。

「失礼するぜ。」

初めて入った、の私室はスッキリと片付けられていて居心地の良い空間だった。
部屋の奥にベッドを見つけ、真っ直ぐにそこへと向かいを降ろしてその上に乗る。




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