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月の虜

第8章 艶酔ー三日月宗近ー (裏)


『ありがとう、薬研。』

飛んできた薬研が持ってきた水を一気に飲み干すと、は立ち上がり見習いの前へと進んだ。

見習い「なぜ…。」

『なぜ平気なのか?と問いたいのですか?
かなりの量がお茶に入ってましたものね。』

長谷部「貴様…。」

見習い「ぐっ!」

『締めないの、長谷部。
脆い人は死んでしまいますよ?』

長谷部「ですがっ!」

『長谷部。』

長谷部「…わかりました。」

『みんなも、殺気を抑えなさい。
気絶してしまいます。』

いつの間にか、全員が執務室に集まっていた。
見習いはもう、長谷部が押さえなくても動くまい。
殆どが練度を極めている刀剣男士が殺気を放っているのだからな。

『そうそう、何故平気なのかの問いに答えていませんでしたね。
訓練しましたから。
審神者になる為に、どんな訓練も乗り越えました。
…貴方にはその覚悟が無いようですね。
向いてないですよ?審神者。』

見習い「…っ。」

の冷ややかな言葉と視線に、何も言えず俯いた見習い。
たまたま適性があり、収入に魅入られて来たのだろうが…
そんな甘い考えで務まるものではない。
それを分からせる為に、政府はに此奴を預けたのか。

『こんのすけとお役人が来たら、彼を渡して。
報告書は後で出すと。』

長谷部「はっ。」

『みんなも、戻りなさい。』

そう言うと、は私室へと行ってしまった。
…あれは、かなり耐えているな。

三日月「…見習いよ。
男ならば、己が魅力で女を酔わせろ。
薬などに頼るとは、自分にその魅力がないと認めている証拠だ。」

見習い「…。」

三日月「そんな奴に…我が主は堕とせぬ。」

そう言い残し、の後を追った。



乱「三日月さん、かっこいい!」

陸奥守「まっこと!男前じゃ!!」

石切丸「…いや、あれはかなり不味いよ。」

青江「そうだねぇ…滾っていたよね、殺気が。」

膝丸「かなり抑えていたが…。」

髭切「鬼になっちゃいそうだったね、三日月。」

前田「主君は大丈夫でしょうか…。」

一期「三日月殿に任せておけば、大丈夫だ。」




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