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月の虜

第1章 再会ー石切丸ー (裏)


加州「さっさとモノにしちゃいなよー。
俺、石切丸さんだから引いたんだからねー。」

「加州さん…。」

加州の言葉は嬉しかった。
初期刀である彼が、そう言ってくれているのだ。
ケジメをつけなければ。

『只今戻りました。』

加州「あー、おかえりー。」

『もう…ここは休憩室じゃないのよ?清光。』

加州「えー?二人の時はいつもこうしてたじゃん。」

チリッと、胸の奥から焼ける。
加州が私を煽る為に言っているのは分かるが、顕現される前の知らない時を見せつけられるのは面白くない。

『そんなにダラダラしてなかったよ。
それに、すぐ仲間も増えたでしょう?
さっ、石切丸と仕事するから部屋に戻りなさい。』

加州「はーい。じゃーね、石切丸さん。」

(しっかり、やりなよ!)

と、肩を叩いて小声で言った。
…ありがとう、加州。

『留守をありがとう。』

「政府はどうだった?」

『ボーナスがもらえたの!
みんなの頑張りのおかげだね。』

「それは何より。」

『またもらえるように、しっかりやりますか!
石切丸…隣で仕事してもいいかな?』

「もちろん。」

最近、はこうして甘えてくれる。
そんな事が嬉しくて、満足してしまっていたのかもしれない。

「。」

『なに?』

「…今夜、私室に行ってもいいかな?
話したい事があるんだ。」

『いいよー。じゃ、少し呑もうか。』

「そうだね。
私が用意して、持っていくよ。」

『お願いします。』

私だから油断しているのか、何も考えずに了解してくれた。
嬉しいような、男として意識されていないのか…

それも、今夜で終わりだ。
主と刀剣男士という関係に、新たな関係を加える。

仕事を終え、夕食と風呂を済ませると厨で酒とツマミを用意する。

燭台切「おや、珍しいな。」

「主と飲む事になってね。」

燭台切「そうなんだ。
じゃ、これもどうぞ。
僕も晩酌しようと思って作っておいたんだ。」

「ありがたく頂戴するよ。」

燭台切「楽しんできてね。」

「あぁ。」

の育て方がいいのか、ここの男士は気持ちいい奴ばかりだ。
…だからこそ、心配でもあるのだが。



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