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月の虜

第1章 再会ー石切丸ー (裏)


三日月「主、石切丸はどうだ…おや、邪魔したか?」

『Σ三日月!』

「そうだね、少しだけ。」

『石切丸っ!
三日月はずっと、心配していたのよ?』

三日月「なに、そんな風に言えるなら大丈夫なのだな。
みなに伝えてこよう。主は側に居てやるといい。」

『ありがとう、三日月。』

三日月さん、ホッとした顔をしていた…
心配をかけてしまったようだ。

…さて、それより。

「主。さっきの続きをしようか。」

『続き?』

「私はずっと、こうして主に触れたかった。
問いたかったんだよ、私を覚えているか?と。」

『…うん。』

「刀の頃から、大切にしてくれた。
今度は私が主を…を大切にしたい。
肉体を得たから、それが出来る。」

『……うん。』

「私に大切にされてくれるかな?
そして…もっと、触れさせて欲しい。」

『…完全に回復してから、ね。』

「おや、厳しい。」

だが、繋いだ手は離さない。
頬にも触れさせてくれる。
それだけで、今は満足しておこう。

それから私は、自ら皆を説得して近侍にしてもらった。
今まで以上に、近くに。
これ以上、他の男士を近づけない為に。

加州「ねー、ねー、石切丸さん。」

「なんだい?」

加州「いつの間に、主と恋仲になったのー?」

主の執務室で留守を預かっていると、加州清光が暇を持て余したのかダラダラとしながら問われた。

…と恋仲?

「…いや、まだ恋仲ではない。」

加州「…えっ?
だって、運命でしょ?もうさぁ!
刀の時の最後の主と、刀剣男士としての主が一緒だなんて!
俺、もうとっくにそうなんだと思ってたよ!?」

いや、そう言われても…
事実、恋仲…ではない。
そうありたいとは思っているが、言葉では伝えていない。

「…審神者としてがんばっている主に、今は伝えられない。」

加州「…知らないよー?近侍になった事で満足してると、他の男士に盗られちゃうよー?
主、みんなに好かれてるの知ってるでしょ?」

これは…
痛いところを突かれてしまった。

確かに、近侍になって事で他の男士を遠ざけたと思っていたが。
はここの男士にとって、大切な人だ。
それは、主としてだけではなく、女性としても。



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