第6章 想い合えたならー膝丸ー (裏)
膝丸「…ならば、俺はどうだ?」
『ん?何が?』
膝丸「俺を…想い人の候補に入れてくれぬか?」
『膝丸を?』
想い人の候補に?
どう言う事?
どうしても、自分の都合が良い方へと考えてしまう。
膝丸は、どうしても行きたくない私の為に言ってくれてるんだよね?
それなのに…
膝丸は私の事が好きなのかと、思ってしまう。
『…いいよ、気を遣わなくて。
見合いくらい、適当にあしらえなかったら情けないでしょ。』
膝丸「気など遣ってない。
俺はただ…主に想っている相手が居ないのなら、俺の事を男として見て欲しいんだ。
俺は…主の事が好きだ。」
『膝丸…。』
膝丸「当然、女としてだ。」
念を押された。
私の性格をよく分かってるね…
“主”として、好いてくれてるんでしょ?と言おうとしていたもの。
『…本当に?』
膝丸「俺は嘘をついたことなど、ないと思うが?」
確かに。
膝丸は嘘なんかつかない。
常に、真摯に向き合ってくれる。
『そんな素振り、見せなかったよね…。』
膝丸「伊達に長く生きてはいない。」
信じられなくて…
抜け道を探してしまう。
自分が傷付かぬように。
…こんな時でも、自分がかわいいなんてね。
膝丸「もう、いいか?」
『えっ。』
ぎしっ…
座っている執務椅子の肘置きに腕を乗せ、膝丸が顔を近づけて来た。
膝丸「俺の気持ちを、疑わないでくれ。」
『んっ…。』
返事をする間も無く、唇が触れた。
私…膝丸と口づけしたの?
触れただけの口づけから逃げなかったのに気を良くしたのか、膝丸はまた唇を重ねた。
…今度は深く、舌を絡ませて。
『んんっ……んっ!』
熱い舌が…私の口内を優しく乱していく。
膝丸「好きだ…。」
ズクン、と身体の中心に熱が生まれる。
あぁ…もう、誤魔化せない。
本能で膝丸を求めている。
膝丸「俺のものに…なってくれ。」
『はぁ…っ、ぁあっ。』
首筋に口づけられ、甘い声が出てしまった。
もう、ダメだ。
膝丸が欲しい。
『…好き。』
膝丸「?」
『ずっと、膝丸の事が好きなの。
膝丸が…欲しい。』
膝丸「…あぁ、もちろんだ。」
嬉しそうに笑うと膝丸は、私を横抱きにして奥にある私の自室へと進み…
ベッドへと降ろすと同時に、覆い被さった。
.