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月の虜

第3章 繋がる気持ちー鶴丸国永ー (裏)


燭台切「主が好きなのは、レモンタルト。
ちょっと、手間がかかるよ。」

鶴丸「作ってみせるさ。」

…と、言ったのは良かったけど。
タルト生地?は手が熱いとダレるし。
レモンカード?も油断するとすぐ焦げる。
メレンゲ?を作るのも大変だ。

鶴丸「甘く見ていた…。」

材料を測るのも、キッチリやらないとダメだし。

鶴丸「菓子とは奥が深いんだな…。」

燭台切「練習あるのみ!そんなに悪くないよ?」

鶴丸「だが、完璧なものを贈りたいんだ。」

俺が目指す、最高の驚きを。
…そして、俺の想いを。

俺は主の事を、想っている。

『初めまして、鶴丸国永さま。
ようこそ、我が本丸へ。』

三つ指をついて、深々と頭を下げて迎えてくれた。
礼儀正しいな、というのが第一印象。
そして、顔を上げて固まった。
美しかった…

霊力・知性・品性・佇まい・身のこなし・スタイル、主の全てが。
冗談も通じるし、ユーモアもある。

知るほどに、惹かれた。

だから、喜ばせたい。
幸せそうに笑う姿が、見たいんだ。

鶴丸「みんな、すまないな。
失敗作ばかり食べさせて。」

乱「どこが失敗なの?とっても美味しいよ!」

鶴丸「完璧に作りたいんだ…。」

薬研「余程、大切な人へ贈るんだな。」

鶴丸「…あぁ。」

そう。
誰よりも、何よりも大切なんだ。

『へー。そんな方が居るんだ?鶴丸。』

鶴丸「Σ主っ!!」

油断した…

鶴丸「主、これは…。」

『気にしないで、どんどん作って。
みんなも、美味しそうに食べてるし。
…成功すると、いいね。』

と、優しく微笑んで去って行った。

主…違うんだ!
俺が大切なのは、主以外いない。

燭台切「鶴さん…。」

鶴丸「光坊、すまない。
もう少し、付き合ってくれ。」

燭台切「それでこそ、鶴さんだ。」

こんな事で、凹んでいる場合か!
さっさと成功させて、誤解を解くんだ。

一つの工程も、手を抜かない。
気持ちを込めて…
主の為に。

鶴丸「出来た…。」

燭台切「すごいよ、鶴さんっ!
完璧じゃないか!!」

焼き加減も、味も問題ないはずだ。

待っていてくれ、主。



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