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月の虜

第3章 繋がる気持ちー鶴丸国永ー (裏)


ー鶴丸国永ー

俺たちの主は、冷静だ。
俺がどんな驚きを仕掛けても、成功した試しがない。

鶴丸「主ー。どうしたら、驚いてくれるんだ?」

『…それを私に聞いたら、驚きにならないじゃない。』

鶴丸「確かに、そうだけどさぁ。」

返しまで、冷静なんだ?

蜂須賀「俺は見たことあるぞ?」

執務室から広間へ戻り、休憩中の男士と話していたら蜂須賀が言った。

鶴丸「なんだって!?どんな時だ?」

蜂須賀「主が審神者になり、俺が顕現されたばかりの時。
審神者の仕事を学ぶために、一人で討伐に行かなくてはならなくて。
俺は、重症を負って戻ったんだ。
…あんな主は、二度と見たくないな。」

鶴丸「どんな?」

蜂須賀「想像してみろ、俺たちの為に涙を流す主を。
そして…黙っていたこんのすけに噛みついた主も。
…あれは、怖かった。」

あー。

鶴丸「確かに、どちらも見たくないな。」

主、怒ると怖いし。
めったに怒る事はないが。

俺が顕現された時、本丸のレベルは高い方だった。
男士の練度も高かったし。

蜂須賀「それ以来、主は絶対に無理な任務はさせない。」

かなりのトラウマだったんだな…
俺たちが任務に出ても、軽症以上負ったことがないのは主が考えて編成を組んでいてくれてるからか。

長谷部「自ら傷を負うような事はするなよ?」

鶴丸「その驚きは、俺のポリシーに反するよ。」

俺の驚きは、日常のちょっとしたスパイスでありたい。
誰かを傷つけるものは、違う。

燭台切「なら、予想外な事をしてみたら?」

鶴丸「例えば?光坊。」

燭台切「普段からは想像できない事。
鶴さんなら、料理を作って主に贈るとか。」

なるほど…
確かに、それは驚きかもしれないな!

鶴丸「よし、光坊。
俺に主の好きな菓子の作り方を教えてくれ!」

燭台切「任せて。」

待ってろよ、主。
最高の驚きを届けるぜ。

鶴丸「あ、この事は主には内緒で頼むぜ?
料理をしている事はいいが、誰に作っているかはな。」

長谷部「そういう驚きになら、いくらでも協力しよう。」

蜂須賀「俺も。皆にも誰に作っているかは言わないでおく。」

鶴丸「恩にきる。」

燭台切「じゃ、厨に行こうか。」

鶴丸「あぁ。」

こうして主へのサプライズ作戦が始まった。
最高の驚きを、届けよう。



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