第2章 瞳の月ー三日月宗近ー (裏)
口づけと与えられる刺激に、息が出来ない…
ドンっと、宗近の胸を叩くとやっと唇を離してくれた。
『っはぁ…はぁ…どうしたの?宗近。』
目を合わせると、バツが悪そうに目を逸らされた。
こんな、余裕のない宗近を見るのは初めて…
そっと宗近の頬に触れ、視線を合わせる。
『どうしたの?宗近。話して。』
三日月「…俺は、じじいだ。」
『いや、私はそんな風に思った事ないよ。』
見た目は勿論だけど、戦闘になってもみんなが息切れしてたって一人涼しい顔している。
三日月「…には、加州のような若い者の方がいいのでは、と考えていた。」
『…。』
最後まで、ちゃんと聞こう。
三日月「そう思っていても、を手放す事など出来ぬ…
皆がの事を想っているのは知っているが…
誰にも渡せぬ。」
『…。』
三日月「?」
『私の真名。。』
三日月「か…良い名だ。」
『あげる。』
三日月「なに?」
『宗近に、あげる。私と縁を結びませんか?』
ずっと、考えていたんだ。
縁を結ぶなら、宗近がいいって。
『安心させたいからって事じゃない。
…私が、宗近と結びたい。
…ダメ、かな?』
うわ…
言ってから怖くなってきた。
どうしよう…拒まれたら。
宗近はそんな事、望んでなかったら…
三日月「…いや、。」
『あっ…。』
カチン、と。
胸の奥で、何かが結びついた。
三日月「に言わせてしまったな。
…すまない。
俺が自信がないばかりに。」
『宗近が?』
三日月「あぁ。」
いつも飄々としていて、そんなものとは無縁だと思っていた。
三日月「ここが…熱くないか?」
トン…と、胸の間に触れられた。
その下には、心臓がある。
たしかに、今まで感じた事のない熱を感じる…
三日月「俺との縁が結ばれた。
所謂、夫婦になったという事だ。」
カッと頬が熱くなる。
私…
『宗近の…妻になったの?』
三日月「真名をもらい、俺のモノとなった。」
心臓の辺りに触れる。
審神者になる時、結婚はしないつもりでいたのに。
宗近の妻に…なったんだ。
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