• テキストサイズ

月の虜

第16章 月食


桑名「僕を選んでくれたんだね。光栄だよ。」

「そんな、こちらこそよろしくお願いします。」

桑名「うん、任せておいて。」

ほんわかとした雰囲気に癒される。
身体は大きいけど、おおらかで優しい桑名。
そんな桑名を好いていた。
…それが、信頼か恋愛なのかはまだ分かっていないけど。

桑名「じゃ、刀紋をつけるね。」

「はい、お願いします。」

そういえば、どこに付けるんだろう。
審神者研修で男士から付けてもらうっていうのは習ったけど、場所までは載ってなかった。

桑名「ちょっと、失礼。」

と、私の前に座ると着物の裾に手をかけた。

「えっ!?く、桑名!??」

桑名「なぁに?」

「いや、 “なぁに?”じゃなくて!何故に着物をめくっているの??」

桑名「内腿に付けるからだよぉ。」

あ、そうですか。
…って、なるかぁ!

桑名「大丈夫、僕にしかわからないから。」

ーだから、僕だけに委ねてー



「来て!桑名江!!」

そう叫ぶと、内腿から桑名がつけたとうもんが浮かび、大地から桜の花びらが舞い上がる。

桑名「桑名江、推参!」

その中心から桑名が召喚された。

桑名「主、お待たせ!!」

と、私を片腕に抱き上げた。

桑名「怖かったよね。もう、大丈夫だよ。」

と、そのまま私の目の前にいた妖を一太刀で真っ二つに。
もう一度言いますよ?
桑名はわたしを“片腕に”抱いたまま、右腕一本で真っ二つにしたんですよ。

桑名「残りもやっつけちゃうからね。」

「えっ?このまま?」

桑名「そうだよぉ。」

嘘でしょ!?
どんだけ力と体力あんのよっ!

でも、いつだってそうだった。
率先して畑登板をやって。
でも、他の任務だって一才妥協しない。
真面目で真っ直ぐ。
時々、毒舌だけど。
私はそんなくわなだから、選んだんだ。



/ 110ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp