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月の虜

第16章 月食


松井「立てる?」

「あ、うん。」

松井に言われ立ちあがろうとしたが、足に力がはいらない。

「あれ?」

もしかして、腰を抜かしてしまった!?
うわ…恥ずかし。

松井「主。貴方に触れる権利を僕にくれないか?」

「あ、うん。どうぞ。」

松井「では、失礼。」

と言うと、松井はわたしを抱き上げた。
所謂、お姫様抱っこで。

「ままま、松井!?ちょっと、降ろして!?」

松井「ダメだよ、触れていいと言ったじゃないか。それに、歩けないでしょ?」

「それでも、これは恥ずかしすぎる!」

松井「誰も見ていない。」

「けどっ!」

松井「僕にこうされるのは、いや?」

「そんなわけないでしょ!私がお姫様抱っこって柄じゃないから…それに、重いし…。」

言ってて悲しくなってきた…
可憐な乙女ってタイプじゃないんだよ…

松井「重くないよ。」

「嘘だ・・・。」

松井「本当に。それとも、僕がそんなにひ弱に見えているのかな?」

「…実は、ちょっとだけ意外で驚いています。」

松井「正直だな。男なんだよ?」

「それは…分かってます。」

松井「だから、大切な人を運ぶくらい訳ない。」

え…
大切な人って…

松井「分かってくれたかな?僕のお姫様。」

「/////」

本当に王子様だ…
私の大好きな、王子様。

松井「本丸に戻ったら褒美をもらえるかな?姫。」

「…お望みのままに。」

松井「それと、僕が男だって事もわからせないといけないね。」

あ…地雷踏んだようだ。
そう思いながらも、嬉しくて、ちょっと楽しみだったりもする。

松井「…主。」

「なに?」

松井「あまり、僕を喜ばせない方がいいよ。」

どういう事?

松井「刀紋をつけたことで、僕と主の心も繋がったんだ。」

…なんだと?

松井「主が僕の事を好きだと伝わってきた。」

「まじか…。」

松井「…今夜は離してあげられないかも。」

「…お手柔らかにお願いします。」



ー松井・終ー
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