第3章 風変わりな思考
「あなたはお若いのにもかかわらずいろんなところが達観されているように思います。
だからこそ、あなたの周りはまるで木漏れ日のように穏やかで優しく暖かい。
つい、あなたに全てを打ち明けてしまいたくなるのです。」
この方は常識のある方で、とても深くお優しい。
それを裏付けるよう、匂いからも彼女に裏表のなさを感じた。
上品で、お綺麗で、時々可愛らしくなる。
正直幹部の人がどなたかまでは把握はしていないのですが、それらしい方の表情は皆さん穏やかで優しそうなもの。
基本、古代神道や神道では八百万の神々と言われるように見る者が全て先生で、親で、兄弟で子ども。よそから来た宗教もいいところは喜んで取り入れて、皆がそれを楽しむのをよしとする。
童磨さんは、宗教の教祖であるにもかかわらず、神道のわたしに対して勧誘でも説くこともせず”そのままであり続ける事”を望んでくださる。
松乃さんも聞いてみれば同じような思考の人で、それ一筋に妄信する人ではないのだろう。
そう言う人たちはある程度”自分”というモノを持っているからこそ、童磨さんも窮屈な思いをすることがなく居心地がよろしいと思われているのでは?と考えた。
「松乃さん、わたしもあなたに同じことを感じているのです。
お美しく品があって、でも時々凄く可愛らしく少女のような笑顔をされます。
あなたを見ていると心が穏やかになるようです。」
と正直に思ったまま伝えたはずなのに、松乃さんは可愛らしく首をかしげてしまいました。
「もう40をとうに越しておりますのに、可愛いという言葉は持ったいのうございます。」
と仰しゃるのです。
「姉くらいのお年頃かと思っておりました。ビックリしました。」
松乃さんは鈴の音を転がすようにわらった。