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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第8章 安心感


琴音はこれまで、しのぶにいろいろと相談をしてきた。杏寿郎とのことや義勇とのことなどを、しのぶの口の硬さとポーカーフェイスに絶対の信頼をおき、全て打ち明けている。しのぶは彼女の話を親身に聞いてくれた。

「今日、煉獄さんと合同で任務に出ました」
「え!柱二人?!なら相手は十二鬼月?!」
「情報としてはそうでしたが、実際は違っていましたけどね」
「そっか。だからこんなに早く任務が終わったのね……」
「はい。残念でしたね」

しのぶがクスクスと笑う。

「煉獄さん、寂しがっていましたよ。早く家に戻ってきて欲しい、と。療養なら家でも出来るからとおっしゃっていました」
「……………」
「どうします?煉獄さんのお家に戻りますか?ここでしかできない治療はもう終了していますよね」
「……うん」

琴音は俯く。煉獄家は琴音にとって大切な場所であり、いつでも帰ることのできる家だ。
しかし。

「この体だとさ、もし……」
「大丈夫。そんなことは起こりませんよ」

琴音が弱っている今、万一杏寿郎の理性が何らかの形で失われたとしたら、彼女は回避ができない。それを心配した琴音だったが、彼女の懸念をすぐさま理解したしのぶが優しく否定する。

「煉獄さんはそんな人じゃない。それは私より琴音の方がよくわかっているでしょう?」
「うん」

それでもまだ浮かない顔をする琴音。

「……あとね」
「何ですか?」
「ここを出たら、冨岡に会えなくなっちゃう」
「それは、そうですね」

義勇は煉獄家には来ないだろう。蝶屋敷にいるから、彼は会いに来てくれる。療養場所を煉獄家にしてしまったら、またしばらく彼とは会えなくなる。

「それは寂しいなって思うの」
「なるほど」

「でもね、いつまでもここにいられないから、戻るよ。杏寿郎さんのところに」
「そうですね。琴音の現在の拠点はあちらですからね」
「だけど、あとちょっとだけ、ここに居させて」
「安静にしていてくれるなら」
「うっ……、はい」

ふふふっとしのぶは笑った。

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