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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第37章 秘薬


皆が固唾を呑んで見守る中、炭治郎はゆっくりと目を開いた。
彼の目から大粒の涙が溢れ出す。


「………ごめん、怪我、大丈夫…か……」


その目、その言葉、その涙……
皆がよく知る優しい炭治郎そのものだった。



歓喜に沸き立つ戦場。


義勇と琴音は安堵の息を吐いた。

「終わった…の……かな」
「ああ……終わったな」
「これでまた誰か鬼になったら、どうしよ」
「そうなったら……また、戦うだけだ」
「……あはは、勘弁して」

琴音の体がぐらりと揺れた。
義勇にも、それを支える力はもう残っていない。

琴音は義勇の隣でパタリと倒れる。
そちらに顔を向けた義勇も、ふわっと意識を手放した。


折り重なるように倒れ込んだ二人の手は、しっかりと繋がれたままだった。



長い長い戦いが、終わった―――……



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