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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第36章 さあ、もうひと踏ん張りだ


膨れ上がった無惨は、なんとかして日陰に入ろうと動き出していた。それを鬼殺隊総出で止めにかかる。
正に総力戦だ。


隠たちが、輝利哉の指示で必死に行く手を阻む。
本棚を落とし、車で突撃し、列車の車両を命懸けで押した。

隠たちが殺されそうになると「しぶてェんだよ!糞がァアア!!」と不死川が技を打ち込んで無惨の腕を切断する。

片足を失った悲鳴嶼が、隠達と共に武器である鎖を無惨の首にかけて引っ張る。大きな音を立てて無惨がひっくり返った。陽光をその身に浴びて悲鳴をあげた。


「塵になれ!早く早く灼けてしまえ!!」

輝利哉が叫び、妹たちは祈る。


無惨は土に潜って回避しようとする。
それを阻止すべく義勇が斬りかかった。水の呼吸の中の大技、生生流転を出すものの、片腕の為斬撃が深いものにならない。
そこへ、追蹤するように琴音が攻撃をする。炎の連撃技で無惨を地面に潜らせない。

不死川と伊黒も血だらけになりながら戦う。
しかし、皆が満身創痍。連続で技を出せないため、交互に斬り続けるも、限界となる。
悲鳴嶼の鎖も千切れた。

駄目だ、土に潜られて逃げられる。

そう思った時、突然無惨が大量の血を吐き出した。
大きな音を立てて崩れ落ち、太陽の光の元で灼けていった。


無惨が消滅した。
叫ぶような歓声が上がった。



その場に崩れ落ちる柱たち。

「最後…の……、炭治郎くん……かな」

薄れゆく意識の中で琴音が呟いた。
自分たちには、もはやなす術がなかった。それなのに無惨が倒れた。中から攻撃を受けていたような感じがした。

「………君は、本当に…本当に……凄い子だねぇ。どうか…生きていて……」

琴音は、皆の無事を確認することも出来ないまま、ふわりと意識を手放した。



義勇はよろよろと歩き、琴音の側へと来た。彼女の側には村田と隠がついてくれていた。
彼女の呼吸を確認してホッとする。


そして、義勇は炭治郎を探しに歩き出した。


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