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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第34章 己のすべきこと


そんな中、突然城が激しく軋み出した。
元々妙な動きをしてる変な城だったが、先程までとは明らかに動きの質が違う。

床が抜けたと思ったら、今度は上に向かって急上昇し始めた。ギギギッと大きな音が響き渡る。


この動きは、愈史郎と無惨が互いの能力で引っ張り合っていることによって起きているものだった。

珠世を殺された怒りを胸に、無惨を地上に引きずり出してやると奮起する愈史郎。無惨に負けるものかと渾身の力で引っ張り上げる。


愈史郎の傍らで様子を見守っていた竹内が、なんとか自分も役に立とうとこちらも猛烈に奮起して「協力する!俺を食え!」と高らかに叫んだが、「うるさい黙れ!引っ込んでろ!」と愈史郎にブチ切れられた。

命を投げうってでも力になりたいという彼の覚悟は、哀れなほどに木っ端微塵に砕け散ったのだった。


愈史郎は、義勇たちの攻撃で無惨の力が緩んだ隙をついて一気に力を使い、城はドゴォォンッと大きな音を立てて地上へと顔を出した。


外に出ると、義勇の目に星が飛び込んできた。
いつか琴音と並んで一緒に見たのと変わらぬ星が、上空で彼らを見守るように輝いていた。

義勇は一瞬目を細めて星を見つめ、ひゅうっと呼吸をして集中を高めた。


瓦礫を弾き飛ばして叫ぶ無惨に一目散に飛びかかっていく柱たち。


夜明けまであと一時間半。

なんとしてもこの場に無惨を繋ぎ止めて、太陽光で消滅させる。


決死の覚悟で斬りかかっていった。


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