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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第34章 己のすべきこと


「あいつは……頑張ったようだな」
「ええ」
「研究中、何かと合わなかったが」
「彼女も似たようなことを言っていました。でも、彼女はあなた方を尊敬していました。そして立派に戦いました」
「ふん。それは、まあ、認めてやる」
「はい。友として、彼女を誇りに思います」

共にしのぶを讃え合う。
村田たちにはなんのことかさっぱりわからない。

「では、引き続き、よろしくお願いします」
「ああ」

琴音は村田たちと別れて駆けていった。



すると、突然琴音の前方にとてつもなくおどろおどろしい気配が現れた。気配に反応して、一気に総毛立つ。


間違いない!
これは無惨だ!!
鬼舞辻無惨が復活した!!!


猗窩座と対面したときと同じく、体中の血が沸騰するような怒りを感じた。
体に力が入って青筋が浮かぶ。

しかし、先程と同じ失敗をしてはならない。義勇に言われたことを思い出す。冷静さを保ちながら走った。

隊士たちが眼前でみるみるうちに倒されて食われていく。

「総員、退避ーーー!!!」

琴音は力の限り叫んだ。
しかし、退避中にもばさばさとやられていく。あまりにも呆気なく、一瞬のうちに多くの命が失われた。

一人で無惨へ飛びかかっても勝ち目はない。
琴音は足を止めて無惨と一定の距離を保つ。
大勢が死んでいく様に怒りが込み上げるが、落ち着いて状況を判断していった。

その瞬間目の前に無惨の爪が伸びてきて、琴音はその爪を弾いた。無惨が驚いた顔をする。

「……お前、柱か?」
「そうよ」
「ほう。それは好都合。食事として最適だ」
「そんなに簡単にはいかないよ」

琴音が無惨と向き合っている間に、隊士たちは逃げる。琴音は彼らを逃がすために時間稼ぎに徹することにした。

無惨が繰り出す爪を、ひたすら避けて弾く。

「これについてくるか。速いな」
「舐めないでよね」
「ふむ。だが、お前の時間稼ぎに付き合っている暇はない。私は空腹なのだ」

無惨がまた隊士の方へと身体を向けた。

「待て!」

時間稼ぎに気付かれた琴音が技を出した。琴音の炎が無惨に襲いかかる。


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