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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第33章 戦いへ


しばらくすると炭治郎が目を覚ました。

「あららっ?あれっ?」

面白い顔をしながらガバッと跳ね起きて、隣りに座っていた義勇から不死川が帰ったことを聞いた。
そして二人が喧嘩をしていたわけではなく、柱同士の手合わせをしていたのだと知って納得をした。

「俺…寝ちゃってたんですね」
「ああ」
「ご迷惑をおかけしました」
「いや」

すると炭治郎のお腹が鳴った。

「飯にするか」
「あ、いえいえ!そんなお世話になるわけには!」
「いい。食っていけ」

義勇と炭治郎は連れ立って屋敷の中に入ってきた。
入るとすぐに気が付く炭治郎。

「あれ?琴音さんの匂いだ」
「…………」
「琴音さん、来てるんですか?」
「……来てるというか…」
「?」

炭治郎が首を傾げると、部屋から琴音が出てきた。

「炭治郎くん、良かった。目が覚めたね」
「琴音さん!やっぱりだ!お久しぶりです!」
「久しぶりだね。顎を強打してたけど、目眩とか吐き気とかない?大丈夫かな?」
「あ、はい!問題ないです!」

「夜月、炭治郎も飯だ」
「はい。千代さんに伝えてくる。冨岡の部屋でいい?」
「ああ、頼む」
「……え」

炭治郎は少し驚いた顔を見せる。
去っていく琴音と義勇とを交互に見た。

「……来ているというか、夜月はここに住んでいる。だいぶ前から」
「そ、そうなのですね」

義勇はしれっとしながら自室へと炭治郎を連れて行った。

「あの、今日は他の隊士は……」
「今日は休みだ」
「え!すみません!俺、帰ります!!」
「別にいい」
「でも、折角琴音さんとゆっくりできるのに」
「別にいい。お前がいてもゆっくりする」
「はあ……」

いや、目の前でいちゃいちゃされても嫌なんだけどな、と炭治郎は思った。

そうこうしていると琴音がお茶を持って義勇の部屋へ来た。お茶菓子をつまみながら炭治郎と楽しげに話をしている。

義勇は甘い羊羹には手を付けず、黙ってお茶を飲みながら話を聞いていた。

「冨岡、食べないの?」
「……いい」
「じゃあ炭治郎くんこれもどうぞ」
「いいんですか?」
「うん。身体作るには糖分も必要なのよ」

炭治郎は嬉しそうに義勇の分の羊羹も頬張った。


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