第32章 任務完了※
義勇は琴音の顔にかかる髪をよけた。
片手でそばにあった掛け布団を引き寄せ、自分たちの上に被せた。
「今日、両家に挨拶をした」
「うん」
「もういつでもお前を嫁に出来る」
「うん」
「お前が望むのなら、明日にでも」
「あはは」
琴音も手を伸ばして義勇にぎゅっと抱きつく。たくましい胸板に顔を寄せた。
「あとね……戦いの前に、どうしても欲しかったの。あなたが。死んでから後悔したくない。……困らせちゃってごめんなさい」
「死なせない。俺がお前を守る」
「なら、私はあなたを守る」
義勇は琴音に優しく口付けをした。
「俺は死なないし、お前を死なせない」
彼女の目を見て真っ直ぐに告げる。
「生き残って、俺の嫁になってくれ」
琴音の目から涙が溢れた。
義勇の指が涙を拭う。
「……はい。必ず」
琴音が答えると、義勇は嬉しそうに笑った。
「……ちょ、あの…、義勇さん」
「なんだ」
「…………えっと……」
「お前が、可愛いことばかり言うからだ」
義勇の腕に包み込まれながら、琴音が顔を赤くした。お腹の辺りに硬いものが当たっているからだ。
「呼吸も落ち着いてきたな」
「え…と、その……」
「俺が欲しいんだろう」
「も、もう十分だよ。いただきましたので!」
「遠慮するな」
義勇は琴音を仰向けにして覆いかぶさる。
「えっ!ちょっと、……本気なの?」
「本気だ。嫌か」
「嫌っていうか、疲れたでしょ」
「余裕だ」
義勇は琴音の胸に手を乗せて、刺激を与え始めた。
「きゃっ!……義勇さん、私もう」
「体力が落ちているな。鍛錬だと思って付き合え」
「嘘でしょっ……んっ、ひゃ!」
「逝きまくるから疲れるんだ。すぐに果ててしまわぬように我慢すればいい」
「や…、無理言わな…でぇ……」
義勇の愛撫を受けて、また蕩けていく琴音。
「明日も休みにしてある。今宵は一晩中鍛錬だ」
耳元で義勇が囁いた。