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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第4章 好きなもの


琴音と杏寿郎と千寿郎は、別室で三人で晩御飯を食べる。

「ん?琴音。髪紐変えたのか」
「あ、うん。よく気付いたね」

食べながら楽しく話すのはいつもの事だ。

「お前のことはいつも見ているからな!」
「杏寿郎さん……、それ、誤解されかねない発言だよ。気を付けたほうがいいよ」
「誤解?なんのことだ?」
「あはは、なんでもないよ」
「とても良く似合っている」
「ありがとう」

この天然女たらしかとも思われる発言を、笑いながらさらりとかわしていく琴音。義勇とのあまりの違いに笑いがこみ上げる。


「どなたかからの贈り物ですか?」
「贈り物っていうか……、うん、まあ、そうね。買ってもらったの」
「ほう。どこのどいつだ、琴音に贈り物をしたのは」
「冨岡義勇」
「冨岡……?聞いたことがある。確か水の呼吸の隊士だな」
「そうそう。へぇ、冨岡って有名なんだね」
「強いからな。そうか、冨岡から貰ったのか」

そんな話をしていると、突然ガラリと障子が開いた。

「え?師範?」
「父上、どうかされましたか」

酒瓶を片手に部屋に入ってきた槇寿郎は琴音の前に座り、ずいっと彼女に顔を近付けて覗き込む。

「なんだ、その男は」
「は?」
「冨岡ってのは、何者だ」
「何者……?鬼殺隊士です」
「そんなことはわかっている!お前のなんなんだってことだ」
「私の?えと……、同期です」
「それだけか?」
「はい。あとは、そうですね……仲良しです」
「仲良し……」
「はい」

キョトンとする琴音。何故そんなことを聞かれるのかわからない。

「お前の、恋人じゃないのか」
「へ?い、いやいや、全然違いますよ?」
「本当か」
「はい」

突然妙な事を言われて驚き、焦る琴音。

「何故そんなことを聞くのです?冨岡とは入隊からなんやかんやと交流があって、仲良くしてるだけですよ?」
「…………」
「今日、任務終わりで近くにいたのでご飯行って、私の誕生日が近いからって買ってもらっただけです」
「………そうか」

それだけを言うと、槇寿郎は立ち上がって部屋を出ていった。


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