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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第26章 仲間


義勇が全員分の支払いをして、皆で店を出た。

「鰻、美味かったな。ごちそうさま、冨岡」
「冨岡、ありがとな」
「ああ」

久しぶりに同期で過ごせて、四人とも嬉しそうにしている。

「柱稽古、頑張ってね。怪我には気をつけて」
「おう」
「炎柱様と水柱様の稽古はないのか?」
「炎柱はないけど、水柱はあるよ。そのうちね」

琴音はそう言って笑い、義勇は黙っていた。

「じゃあ、またね」
「おう、またな!」
「おやすみ」

義勇は何も言わないが、四人は二手に別れて帰路につく。

「……あいつら、一緒に帰っていくな」
「一緒に住んでんだろ」

去っていく琴音と義勇を見ながら、村田と竹内が呟いた。

「村田。お前、夜月のこと好きだったろ」
「………まあな。って、お前もだろ」
「俺らの同期の男で、あいつのこと好きじゃない奴なんていなかったろ」
「そうだな」

義勇の隣を歩く琴音は幸せそうに笑っている。
村田は二人に背を向けた。

「結局、冨岡に取られたな」
「仕方ねえよ」
「はぁ……わかってたけどよ……」
「飲みに行くか。明日は休みだろ」
「そうだな」

竹内は村田の肩をぽんぽんと叩く。

「元気出せ、村田」
「ああ」
「なんたって、俺たちは夜月の子どもの頃の乳を見てんだ。冨岡だって見てねえだろう」
「……っ!俺は見てない!着物脱がして乳見たのはお前だけだろ!」
「え?お前見なかったの?つーか乳見るために脱がしたみたいに言うなよ。俺は傷を確認しただけだ」
「お、俺は見てねえよ!」

男二人、歩きながら飲み屋に向かう。

「竹内、お前それ冨岡に知られたらぶった斬られるぞ」
「怖ぇな。飲み屋代出すから、内緒な」

義勇と琴音が恋人になったという事実は二人にショックを与えたが、幸せそうにしている琴音を見て嬉しく思うのも事実で。

「あいつ、乳大きくなったな」
「あん時はぺったんこだったもんな」
「おい!やっぱりお前も見てたんじゃねえか!そんなら奢らねえぞ!割り勘だ!」

失恋の傷を互いに慰めるように二人は笑う。

自分たちが琴音にとって大切な存在であることには違いない。それだけで十分だ。
伝えることさえ出来なかった想いを胸に秘め、彼女の幸せを願うことにした。

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