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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第25章 柱合会議


「今夜はお前を抱けない」
「そうね」
「あまり煽るな」
「はーい」

「……いつまで抱けない」

義勇が小さな声でそう聞くので、琴音は笑いそうになった。

「さあ、いつまでかな」

意地悪な感じにそう言うと、義勇は眉を寄せた。

「ならば、大丈夫となったらお前の方から誘ってこい」
「へ?」
「お前から接吻をして、俺に乗っかるんだ」
「……そ、そんなこと出来るわけないでしょ」
「何故だ」
「はしたないじゃない」

「しかし、俺には危険な日なのかわからないのだから仕方がないだろう」

仕返しをするかのように、義勇が意地悪を言う。

「楽しみだ。待ってる」

薄く笑いながら義勇がそんなことを言うので、今度は琴音が冷や汗を流した。義勇が面白がっていることがわかる。

「……………」
「そうだな。もし勇気が出ないのなら、酒を飲ませてやろう。積極的になる」
「……馬鹿」

真っ赤に染まる琴音の頬に口付けをして、義勇が微笑む。

「おやすみ」
「おやすみなさい」

―――期間限定、今だけの幸せ。

どうやら二人共、長生き出来そうに無いことがわかった。それでも、平和な世界を目指して二人は死力を尽くす。

最終戦のその先など、何も見えない。

今、見えているのは、眼前の愛しい人。
今、感じられるのは、心安らぐ温もり。

ただそれだけ。


今を共に過ごせることにひたすら感謝をした。


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