第25章 柱合会議
「お前、凄いんだな」
「そう?まあ、育った環境だよね」
「じいさんが居てくれてよかったな」
「そうだね」
義勇が布団をめくり、琴音も隣に入る。
布団の中でころんと二人で寝転がると、義勇はいつも通り優しく琴音の髪を撫でた。
「綺麗な色だ」
「昔は嫌だったけどね。皆みたいに真っ黒が良かったって泣いたよ」
「そうか。でも、俺は好きだ」
「……好きなのは、髪だけ?」
ほんのりと頬を染めて、上目遣いで琴音は義勇を見た。
義勇は少し照れくさそうに、琴音の頭を抱えるように抱きしめた。
「全部」
顔を見られないようにしながら、義勇が彼女の耳元で囁いた。
義勇の腕の中で、顔を赤くした琴音が笑う。
「ふふふ、全部ってことはないでしょ」
「嫌いなところが思い付かない」
「えー、沢山あるでしょ?我儘なところとか」
「我儘だったのは小さい頃だろう。今は人のことばかりだ」
「そうかな」
「お人好しなところも、泣き虫なところも、少々八方美人が過ぎるところも……俺は、お前の全部が好きだ」
珍しくしっかりと愛を言葉に乗せる義勇。腕の中の少女がふと消えてしまいそうに感じたからだろうか。
「ありがとう。私も義勇さんが大好きよ。それこそ、全部ね」
琴音もそれを受けて、素直に感謝と愛を伝える。義勇の胸元に幸せそうに頬を寄せた。