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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第25章 柱合会議


少しすると、お茶を持った琴音が義勇の部屋に来た。義勇の隣にお茶を置く。

正面にきちっと座った。

「さて、答えるよ」
「お前と胡蝶は何をしている」
「しのぶちゃんのことは、言えない。………私の事は言うけど、周りに鬼がいないか注意してて。私も気にしてるけど」
「承知。口外もしない。安心しろ」
「それは心配してないよ」

琴音は薄く笑う。
お茶を一口飲んで、話しだした。

「私はいろいろな薬を開発研究してる」
「知っている」
「で、私のこの体は、無数の抗体を取り込んでいるの」
「…………?」

義勇はよくわかっていないようで、首を傾げた。

「えっとね、鬼が使ってくる毒を研究して、その毒に対する抗体を体内に持っていれば毒をくらっても無効化できるでしょ?」
「ああ」
「体内で抗体を作るには弱毒化させた毒をまず取り込む必要があって、ここ数年かけて少しずつ抗体を作ったの。これは抗毒素による抗体療法を目指すもので、免疫血清を……」

また義勇が首を傾げたので、琴音は口を閉じた。少し間を置き、再び話し出す。

「えっと。冨岡が気になっているのは、私が何かやってて、それで私の命が縮んでるんじゃないかってことだよね」
「そうだ」
「それに関しては『わからない』としか答えられない」
「わからない?」
「実験結果がまだないから」
「…………」
「でも多分、いくらかは縮んでるんだろうね」

義勇が息を飲むのがわかった。

「毒を取り込んで無理矢理抗体を作っているの。自分の体を使った人体実験。今後どんな副作用がでるかはわからない」

義勇は俯いた。己の手をグッと握る。


「抗体を沢山持つ私の血から、『血清』っていうのを作ろうとしているの。解毒薬ってことだね」
「…………」
「無惨がどんな毒を使ってくるかわからない。予測の上で動いてる。だから今までやってきたことが全て無駄になる可能性もある。いや、その可能性の方が高いよね」
「…………」
「それでも、やる。それが私の仕事」
「命を縮めても、か」
「そう」

義勇は眉を寄せた。

「詳しくは言えないけど、しのぶちゃんも違う形で命を賭けてる。これが私達の戦い方。私もしのぶちゃんも、絶対に鬼に一矢報いるから。見てて」

琴音はにっこりと笑った。


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