• テキストサイズ

言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第25章 柱合会議


「あまね殿も退室されたので失礼する」

そう言って、義勇は一人立ち上がった。

「おい待てェ。失礼すんじゃねぇ。それぞれの今後の立ち回りも決めねぇとならねぇだろうが」
「七人で話し合うといい。俺には関係ない」
「関係ないとはどういうことだ。貴様には柱としての自覚が足りぬ」

不死川や伊黒に止められても義勇は広間から出ていこうとする。

「冨岡さん、理由を説明してください。さすがに言葉が足りませんよ」
「冨岡、まずは座りなよ」

しのぶと琴音が声をかけても振り返らない。


「……俺はお前たちとは違う」


背を向けたままそう言う義勇に、侮辱されたと感じた不死川が激昂した。二人の間に甘露寺が入るが、一触即発だ。

その時、悲鳴嶼が手を打ち鳴らし、ビリビリと広間に大きな衝撃波が走った。

「座れ…話を進める……。一つ提案がある……」

悲鳴嶼が静かにそう言い、義勇を含めた全員が元の場所に座った。


琴音はホッとした。
それと同時にため息もつく。

……本当に言葉が足らないね

琴音は、義勇がいたずらに人を傷付けたり馬鹿にしたりしないことを知っている。先程の言葉も自分を卑下するものであって、皆を下に見ているわけではないとわかっている。

だが、やはりこの男は誤解を生む言葉しか言えない。補足説明をしたりも出来ない。喋れば喋る程、人間関係は泥沼化していくばかりだ。

……少しはちゃんと喋るようになったと思ったんだけどな。これじゃ友達はできないな……


そんなことを考えながら、琴音は悲鳴嶼からの柱稽古の提案を聞いた。  


「この柱稽古だが、胡蝶と夜月は参加しなくていい。私はそう考えている」
「どうしてですか?悲鳴嶼さん」
「……………」
「……………」

甘露寺は疑問の声を上げるが、しのぶと琴音は黙っている。

「どうだ、胡蝶、夜月」
「そうですね。私と琴音は別行動としていただけると有り難いです」
「同じく。もし人手が足りないのであれば、お手伝いは出来るかと」

周りの者達は首を傾げる。悲鳴嶼は頷いた。

「では、二人は引き続き『それぞれの仕事』にあたれ」
「承知いたしました」
「はい」

しのぶと琴音が頭を下げた。


/ 419ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp