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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第24章 解禁※


義勇は琴音に覆いかぶさった。口付けをして舌を絡める。彼女の吐息が熱い。

ちゅっと音を立てて口を離し、様子を見る。彼女はとろんとした顔をしていた。

「義勇くん、もっと。もっとちゅってして」

義勇に向かって、笑いながら手を伸ばしてきた。絶対に普段の彼女なら言わない言葉とその呼び名に、酒で弱った理性が飛びかける。

高まる興奮を抑えてなんとか己を保ちつつ、彼女の言うとおり口を吸い、片手は帯に手をかけた。するりと帯を解いて、ほんのりと赤くなっている彼女の肌に触れる。胸へと手を伸ばしてやわやわと揉み始めた。

「………っ、きゃははは!」

すると、急に身をよじって笑い出す琴音。

「義勇くん、くすぐったいよー!こちょこちょしないで」
「……くすぐっているわけではない」
「やんっ!あはははは!」

琴音が笑ってしまってくねくねと逃げるので愛撫にならない。あれ、うまくいかないぞ、と義勇は焦る。

「じっとしてろ」
「こちょこちょするもん!」
「こちょこちょしてるわけじゃない」
「きゃん!もう!やぁだ!」

琴音は身を反転させて義勇の下から抜け出した。流石の素早い動きである。

「うふふ」
「……おとなしくしてくれ」
「やぁだよん。べぇー!」

義勇が手を伸ばしても、くすくすと笑って逃げてしまう。幼子のような彼女は、自分が何をされそうになっているかがわかっていないようだ。

義勇は呆れて、今夜は無理かなと追いかけるのをやめて座った。しかし、期待してしまっただけに、弄ばれたような気がして義勇もムッとした。


「あれぇ、義勇くん怒った?」
「……別に」

相手は酔っ払いだ。飲ませたのも自分なので怒ってはいけない、と義勇は思う。

「怒ってる。琴音、悪い子?」
「…………」
「ごめんなさい」

琴音の帯は解かれているので、片手で着物を押えながら琴音は義勇の目の前にちょこんと座る。太ももがちらっと見えて義勇は目をそらす。

「嫌いになった?」
「……ならないと言っている」
「怒ってる」
「怒ってない!」

義勇が声を荒らげると琴音がビクッとした。
目が潤んでしまい、義勇はまた困る。


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