• テキストサイズ

言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第23章 上弦


「お友達作って、楽しく生きてね」
「…………琴音?」
「You are my treasure. 」
「……え」
「…………」
「なんだ?わからない」

「I love everything about you.」
「………?」
「I’m really glad I met you.」
「…………」
「Your happiness is always wished.」
「……ずるいぞ」

義勇の耳元で、異国語で愛を紡いでいく琴音。
意味はわからないものの、なんとなく内容を察する義勇。首に巻き付いている琴音をぎゅっと抱きしめた。
酒のせいか琴音の身体は熱い。義勇は眉を寄せて目を閉じた。

「なんで、死ぬんだ」
「…………」
「きちんと説明しろ」
「……………」
「嫌だ」
「………………」
「一人は嫌だ」
「…………えへへ」

琴音はその問に答えない。誤魔化すように笑った。


「あのね。義勇くんはねー、強いの」

「強くてー、格好良いの」

「格好良くてー、優しいの」

「私には……もったいないくらい」

琴音は自分の伝えたいことだけを話す。その目は虚ろだ。
結局、上弦のことも、杏寿郎のことも、死ぬと口走ったことも、何一つ言及しない。


「好きよ。大好き。義勇くん……」


酒のせいで、もはや意思疎通が出来ないのだと義勇は判断した。

/ 419ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp