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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第23章 上弦


翌日、任務終わりで救援依頼が入り、琴音は蝶屋敷へ走った。

炭治郎、玄弥、甘露寺、無一郎が、刀鍛冶の里で負傷したとの報だった。

……上弦二体…、上弦……

琴音は手を握りしめる。


四人共意識はないが、回復へむかっている様子だった。

「あっついね……」

無一郎の手を握り、呟く。
先日熱を出した義勇より熱い。

「高熱ですが、不思議と回復が早いのです」
「なにか、あるのかな。これは下手に下げない方がいいね」
「そうですね」
「呼吸器症状がないのなら様子を見みよう。傷からの化膿に注意だね」

しのぶと共に治療にあたる。
鴉を飛ばして義勇に連絡をし、その日から蝶屋敷に泊まった。


数日で甘露寺と無一郎は目を覚ました。

「そっか、上弦の肆と伍だったのね」
「倒せてよかったよ。死んじゃうかと思った」
「蜜璃ちゃんが生きててよかった」

琴音は甘露寺を撫でて、甘露寺はそれにキュンとした。

「蜜璃ちゃんも無一郎くんも、今は寝て。しっかり休んで回復しようね」
「うん。琴音、寝るまで側にいてくれる?」
「もちろんだよ。手握ってるから、安心しておやすみ」
「うん。側に…いて……」

無一郎の雰囲気の変化に驚く。
刀鍛冶の里で一体何があったのだろう。

燃えるように熱い無一郎の手を握りながら、彼らの様子をじっと見つめる。


二人が眠ると、炭治郎と玄弥を診ながらしのぶと話し合う。不明なことが多いが、様々な可能性と今後の治療方針を立てていった。


一度帰宅すると告げて琴音は義勇の所へ向かう。しかし、その足取りは重かった。


「只今戻りました」

戸を開けると、玄関へ義勇が出てきた。
彼女の顔を見るなり、抱き寄せた。

「どうした」
「……………」
「何があった」
「治療、してきた」
「それで?」
「……………」

義勇の腕の中で俯いたままの琴音。義勇以上に喋らなくなってしまった。

「お風呂、入りたい」
「………湧いてる」
「ありがとう」

そのまま静かに自室へ向かった。


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