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言の葉の裏【鬼滅の刃】冨岡義勇

第19章 死なせない


夕方から任務が入りがちな二人は、取り敢えず着物を脱いで隊服に着替えた。
昨晩汚れた敷布を洗い終わると、琴音は鍛錬をすると言ってきかなかった。喧嘩になりかけたので義勇が折れて、彼女の稽古に付き合ってやる。

少し見ない間にまた腕を上げている琴音。柱になって任務の難易度が上がり、それに対応するために鍛錬も頑張っているのだろう。炎と水の混合技も出来ており、義勇の闘争心を煽る。

お互い容易に一本を取れないままに、庭で木刀を合わせていった。

小休止を取って縁側に並んで座った。


「力もだいぶ強くなった」
「でしょ?筋肉つけようと頑張ってるの!そのうち義勇さんよりムキムキになるからね!」

そう言って笑う琴音。それは嫌だなと義勇は思う。


日が傾いてきた。
さて、再開しようかなと琴音が木刀を持った時、一羽の鴉が現れた。

「!!」

すぐに反応する琴音と義勇。

「炎柱!緊急支援要請デス!」
「しのぶちゃんの鴉?!何があったの?!手紙外すね!!」

鴉の足にくくられている手紙を外し、すぐさま玄関へと駆け出す琴音。義勇も後を追う。

「三人と宇髄さん!え、酷いっ……」

書かれている状況を読みながら、一度玄関から家に上がった。鴉を連れてバタバタと部屋へ行き行李をあさる。

「えっと、血気・七、止血・八、新毒・十二。全部持ってくってしのぶちゃんに伝えて!私もすぐ行く!」
「ワカリマシタ!」

鴉は飛び去っていった。
琴音は行李から出した薬を風呂敷に包んでいく。

「怪我人か」
「炭治郎くんたち三人と宇髄さん」
「宇髄も?」
「片腕片眼欠損」
「…………」
「三人も瀕死の重症」
「……………上弦か」

「おそらく」

杏寿郎の死が琴音の脳裏に蘇る。一瞬頭がくらりとして、吐き気がした。

しっかりしろと自分に呼びかける。


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